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バレエ「眠れる森の美女」あらすじや登場人物、見どころなどを解説しました。




ミキコ
こんにちは、ミキコです。
今日は「眠れる森の美女」について紹介します。

【バレエ公演2018年】おすすめや楽しみ方を教えます。

11月 15, 2017

昨年末に、2018年のオススメ舞台として紹介しましたが、改めて、作品解説をしますね。

■目次

原作と著者について紹介

(画像引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%AD%E3%83%BC

眠れる森の美女は、シャルル・ペローの童話集に収録されている物語です。
シャルル・ペローは1600年代を生きたフランスの詩人で、のちに散文や物語を書きました。

眠れる森の美女が収録された「ペロー童話集」は、グリム童話やマザーグースよりも古い民間伝承をまとめたものとして有名です。

ただ、読みやすいように同時の時代背景を取り入れたアレンジがなされているため、他の童話集ほど伝承に忠実な内容ではないそうです。

ペロー童話集には、眠れる森の美女の他にも、長靴をはいた猫、赤ずきん、シンデレラなど、バレエ作品にもなっている有名な童話も含まれています。

なお、「眠れる森の美女」をバレエ作品として製作した際は、グリム童話や他の童話の要素も取り入れられています。

また、あとでお話しするように、オーロラの結婚式には、「ペロー童話集」に収録された童話の主人公たちが来賓客として登場します。

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登場人物の紹介

オーロラ姫

4人の主な登場人物
  1. 主人公のオーロラ姫
  2. デジレ王子
  3. 物語中で重要な役どころである、善を表すリラの精
  4. 悪の権化、カラボス
カラボスは、中性的な役で、男性、女性、どちらのダンサーも演じることがあります。


あらすじ

プロローグ

フロレスタン14世にが誕生し、盛大な洗礼の式典が催されています。
式典には、リラの精を中心とする6人の妖精たちが、彼女の名付け親となるべく招待されました。

国王が妖精たちに贈り物をすると、妖精たちがお返しに、それぞれオーロラと名付けられた姫に優雅さや正直さなどを授けます。

最後に善を表すリラの精が贈り物を授けようとした時、邪悪な妖精カラボスがやってきました。

オーロラ姫に呪いをかけるカラボスカラボスは自分が洗礼に招待されなかったことを怒り、
オーロラ姫は、20回目(改訂版では16回目)の誕生日に、自分の指を刺して、死ぬでしょう。
と、オーロラ姫に呪いをかけます。

その場は恐怖に満たされますが、幸い、リラの精はまだオーロラ姫に何も授けていません。

そこで、リラの精は言いました。

「カラボスの呪いは強力すぎて、完全に呪いを解くことはできません。
姫は指を刺すでしょう。しかし、死ぬことはありません。
100年間の眠りについたあと、いつか王子様がやってきて、彼の口づけによって目を覚ますでしょう。」

第1幕

オーロラ姫はすくすくと成長し、今日は20歳(改訂版では16歳)の誕生日です。

国王の禁止令を破って編み物をしている娘たちを見て国王は激怒しながらも、お祝いの日なので国王は怒りを鎮めて祝宴を始めます。

誕生日会には、オーロラ姫にプロポーズをしに来た4人の王子がいました。
彼らがバラを姫に手渡した直後、姫は何者かから、糸車を贈られます。

糸車の針に指を指して倒れてしまったオーロラ姫彼女は尖ったものに気をつけるようにという両親の忠告にも関わらず、それを持ったまま楽しそうに踊り、誤って指を刺してしまいます。

糸車を渡したカラボスは、すぐに邪悪な本性を明かし、驚く来賓客に勝ち誇り、姿を消しました。
そんなカラボスと入れ違いにやってきたのは、リラの精。

そして、王と王妃、そして来賓客たちに、オーロラ姫は死んだのではなく、長い眠りにつくのだということを思い出させます。

そして、リラの精は城にいた全員に魔法をかけ、オーロラ姫が目覚めるまで眠りにつかせます。

城の全員も100年の眠りにつく

第2幕

100年の眠りについているオーロラ姫

オーロラ姫の眠りから100年後。
デジレ王子は、森で友人たちと狩りをしていましたが、つまらなくなり、仲間に断りを入れて1人になります。

デジレ王子そこへ現れたリラの精が、デジレ王子にオーロラ姫の幻を見せます。
実は、リラの精はオーロラ姫だけでなく、デジレ王子の名付け親でもあったのです。

姫の美しさの虜になった王子は、リラの精に頼み込み、オーロラが眠るツルだらけの古城へと案内してもらいます。

お城の中に入った王子は、中で眠っているオーロラ姫を発見。
王子がそっとオーロラ姫にキスをすると、それを合図にオーロラ姫は100年の眠りから目を覚まします。

そしてオーロラ姫の目覚めをきっかけに、城にいた全員も目を覚ましたのです。
眠りから覚めたオーロラ姫に、デジレ王子はプロポーズをしました。

第3幕

デジレ王子とオーロラ姫の婚礼の宴が始まります。
結婚式には多くの人たちが招かれました。

リラの精を中心とした6人の妖精に、宝石の妖精が4人、そしてカラボス。
「長靴をはいた猫」、「白猫」、「赤ずきん」など、童話の主人公たちもお城へとやってきます。

来賓客たちが祝福の踊りを舞うと、オーロラ姫とデジレ王子はパ・ド・ドゥを踊ります。
最後にマズルカで締め括られ、オーロラ姫と王子は幸せな結婚をし、人々が見守る中で、幕が閉じるのです。

公演時間の長さはバレエ音楽で1番!

眠れる森の美女のオーロラ姫の衣装をまとったバレリーナ「眠れる森の美女」はバレエ音楽の中では最も長く、初演版では、休憩なしで3時間にわたります。
現在は短縮版がメジャーですが、それでも2時間を超え、休憩込みで3時間程度です。

例えば国内のバレエ団の上演時間を見てみると、新国立劇場は、休憩込みで3時間15分、Kバレエカンパニーでは175分(2時間55分)でした。

また、キエフ・クラシック・バレエは、子供向けに2時間に凝縮した公演を行ったことがあります。


初演はいつ、どこで?

「眠れる森の美女」は、1890年に、マリインスキー劇場で初演されました。

まずは、音楽から製作されました。
当時の帝室劇場総裁が、チャイコフスキーに、眠れる森の美女を基にしたバレエ音楽を作って欲しいと、依頼したのです。

当時のチャイコフスキーは、バレエ音楽は「白鳥の湖」しか作ったことがありませんでした。
「白鳥の湖」の評価はイマイチでしたが、再びバレエ音楽を作ることに抵抗はなく、喜んで引き受けたそうです。

そして曲が完成すると、次は振り付けです。
振り付けは、当時のロシア帝室のバレエマスター、マリウス・プティパが担当しました。

そして、約2年の製作期間を経て、完成されたのです。

見どころを解説

眠れる森の美女のオーロラ姫

眠れる森の美女の見どころは以前も少しお話ししました。

参考:あえて選ぶなら「眠れる森の美女」がオススメ

その時と少し重複しますが、眠れる森の美女の見どころは、3つあります。

1)1作品で100年流れを表現

バレエ作品は色々ありますが、1つの作品で、100年の時を描くバレエ作品は非常に稀です。
観客は、この100年の変化を、セットや衣装、オーロラ姫の成長を通して観ることができます。

特に、1幕と3幕はどちらも宴のシーンなので、対比させやすく、注目ポイントとなっています。

2)個性豊かなキャラクター

「眠れる森の美女」では、オーロラ姫を守る、善の象徴・リラの精と、悪の象徴・カラボスが登場します。
この善悪の対比は1つの重要なポイントです。

また、主役のオーロラ姫とデジレ王子はもちろん、3幕の来賓客たちはどれも童話の主人公であり、登場人物たちの個性がはっきり際立っています。

こうした個性は、様々な音楽とカラフルな衣装で表現され、舞台を彩ります。

そしてもちろん、各キャラクターを演じるためには、キャラクターに合った振り付けと、それを踊るソリストの表現力が必要なのです。

ここは、バレエダンサーの力量が試される場でもあります。

このように多面的に脚色されていく舞台は華やかで、見ていて楽しくなる作品です。

ミキコ
個人的には、オーロラ姫の結婚式に来賓客が集まってくる様子を描いた3幕の最初が、ダイジェスト版のようで好きです。

ソリストたちが、数小節の振り付けで自分のキャラクターを印象付けていく様は本当にすごいと思います。

バリエーションの紹介と難易度解説

トウで美しく立つバレリーナさまざまな登場人物が出てくる眠れる森の美女ですが、純粋なバリエーションというとかなり限定されます。

「眠れる森の美女」のバリエーションは、どれも技術的に難しい振りはあまりなく、派手な踊りではありません。

しかし、その分、正確かつ表現力豊かに踊る必要があるのが特徴です。
今回は、有名なものを4曲、ご紹介します。

1.オーロラのバリエーション(1幕:ローズアダージオ)

1幕、オーロラの誕生日会で、4人の求婚者と踊るシーンです。
曲の後半で、王子達からバラを受け取ることから、ローズアダージオの名前が付いています。

振り付けはシンプルで、4人の王子に対して同じパを繰り返すのが特徴です。

難易度はあまり高くありませんが、アチチュードで立ったまま、4人の王子が代わる代わる支える部分があるため、しっかりとトゥで長時間立つスキルが必要になります。

動画は、ザハロワのもの。

2.オーロラのバリエーション(3幕:グラン・パ・ド・ドゥより)

気品にあふれ、踊りやすいこのバリエーションは、人気の高い踊りです。

1幕同様、こちらもあまり難易度は高くありませんが、その分、正確かつ丁寧に踊ろうとすると難易度は上がります。

最後に回転するパが連続するので、見栄えもあり、中高生のコンクールでも踊りやすい振り付けです。

個人的には、小さなデヴェロッペを繰り返して舞台の上手奥から下手手前まで移動する振り付けが好きです。

また、パ・ド・ドゥ自体も、男女で鏡のように左右対称に動いたり、同じ振り付けを一緒にしたりと、他のパ・ド・ドゥより一体感がある点も好ましく思います。

動画は、未だに根強いファンの多い、熊川哲也さんと吉田都さんのもの。
オーロラのバリエーションは8分35秒からです。

3.リラの精

基本のパで構成された短いバリエーションですが、その分うまく見せるには表現力が必要とされる曲です。

フロリナ王女

フロリナ王女は、ブルーバードです。
あまり技巧的に難しくなく、同じパの反復が多いため、バリエーション初心者に向いています。

出だしの腕の動きが鳥を表していて、さえずりを聞くような振りや、鳥らしい細かなパ・ド・ブレが入っています。

動画はボリショイバレエ団の公演。
フロリナ王女のバリエーションは4分30秒から始まります。

その他、ここでは紹介しきれませんが、宝石の踊りや、妖精たちの踊りなど、「眠りの森の美女」には、綺麗なメロディに美しく振り付けられた曲が多くあります。

ミキコ
宝石の踊りは個人的に曲が好きでオススメなので、是非1度見てみてくださいね。

バレエのバリエーション難易度別一覧と見どころ【初心者向けも紹介】

11月 20, 2017


音楽の魅力を解説

オーケストラの第1ヴァイオリンたち眠れる森の美女は3時間に及ぶ長い演目です。
そのどれもが、美しいメロディと重層的でゴージャスな響きを持つ素敵な曲たちです。

ですが、あまりにも長いため、コンサート等で音楽が上演されるときは、演奏会用組曲op.66aとして、作曲家が選んだ5曲を抜粋した短縮版が用いられます。

今回は、この5曲を解説します。

演奏会用組曲op.66a 曲目一覧
  1. 序奏とリラの精
  2. パ・ダクシオン~バラのアダージョ(第1幕)
  3. 長靴をはいた猫(第3幕)
  4. パノラマ(第2幕)
  5. ワルツ(第1幕)

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の演奏。

1.序奏とリラの精

序奏は、カラボスを表す緊迫感のある曲調から始まります。
緊張感が高まりきると、一転して、ホルンを基調としたリラの精を表す穏やかなメロディが流れてきます。

次第に華やかになり大きく盛り上がった後、リラの主題のまま1幕に入るのです。

2.パ・ダクシオン~バラのアダージョ(第1幕)

バリエーションのところでも挙げた、バラのアダージオです。

ハープの細かな旋律が続いた後、ピツィカートがメロディを奏で始めます。
音の厚みが増えては薄くなりながら、次第に華やかになっていきます。

緩急のはっきりした曲の構成は聞き応えがあり、盛り上がるところは、とても優雅でメロディアスです。

3.長靴をはいた猫(第3幕)

静かに始まるこの曲は、少しもったりとしつつも、アクセントが効いた1曲です。

ゆっくりしつつピリッと効いたアクセントは、まさに猫の気まぐれそのもの。
短いながら、個性が光ります。

振り付けも、猫の手で追いかけっこをして戯れているような、可愛らしい踊りです。

4.パノラマ(第2幕)

王子が古城に向かうシーンに使われているシーンです。
ハープとバイオリンをメインにした、比較的シンプルな音です。

どこか神秘的な音は、デジレ王子の生きる現代と100年前のまま眠り続けたお城を繋ぐにはぴったりな雰囲気を醸しています。

5.ワルツ(第1幕)

華やかな出だしが特徴的で、誰もが1度は聞いたことがあるはずの、非常に有名な曲です。
1幕のオーロラの誕生日会で使用され、馬蹄型の大きな花かざりを持って踊るのが特徴です。

ディズニー映画では、「Once Upon a Dream(いつか夢で)」という歌詞付きの曲として歌われました。

華やかなメロディの後、中盤で1度静かになり、また前半のメロディに戻って豪華な群舞となります。
なめらかなメロディは聴く人を心地良くさせます。

衣装の特徴は?

この作品の衣装の特徴は、何と言ってもカラフルなことでしょう。

これまでお伝えしてきた通り、善悪の対比や童話の主人公たちが多く登場するため、衣装もキャラクターに合わせたカラーが使われます。

例えば、リラの精は淡い紫、他の妖精達もそれぞれの意味に対応して、黄色、オレンジなど暖色系を中心に5色に彩られます。

反対に、悪の象徴・カラボスは真っ黒。
その他、ブルーバードとフロリナ王女の青や、猫の白など、様々な色が使われます。

また、パンケーキ・チュチュが多用されていることも特徴です。

パンケーキ・チュチュを着たバレリーナオーロラ姫や、6人の精、ブルーバードや猫といった来賓客、宝石の精たちなど、眠れる森の美女のメインキャストは、ほとんどがパンケーキ・チュチュを着用しています。
メインキャストで丈が長いのは、カラボスぐらいでしょうか。

パンケーキ・チュチュとは、スカート部分がパンケーキのように平らになっている衣装を指します。

ドンキホーテのキトリや、白鳥の湖などでも使われており、派手な振り付けや難易度の高いパが多く含まれる衣装で用いられます。

「眠れる森の美女」ではグラン・フェッテなど難易度の高いパはありませんが、軽やかさを表現するためか、パンケーキ・チュチュが選ばれています。

反対に、ワルツや宮廷の人たちは、膝丈ぐらいの長さのクラシック・チュチュがメジャーです。

「眠れる森の美女」を実際に観た感想

「眠れる森の美女」は派手な音楽や舞台装置などはありません。
しかしその世界は、お城や宮廷が舞台となり、音楽と同様に、気品のある上品なものです。

そのため、踊りはもちろん、セットや衣装もきちんと作られた有名バレエ団の公演を見ると、シンプルながら豪華で見応えがあります。

また、音楽も緩急がはっきりしているので、1幕の花のワルツや、1・3幕のオーロラ姫の登場シーンなど、盛り上がるシーンは非常に舞台が華やぎます。

反対に2幕は静かな森のシーンで、華やかな1・3幕とのコントラストを作っているのです。

こうした全体的な構成のメリハリに加え、色彩豊かな衣装を身につけた個性的なキャラクターたちが演じる曲と踊り、そして、曲ごとのメリハリによって、シンプルな舞台を飽きないものにしています。

「眠れる森の美女」は長い作品ですが、こうしたメリハリと、華やかなのにシンプルな作りによって、最初から最後まで集中して楽しむことができます。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。