「白鳥の湖」バレエのあらすじやバリエーションなどを解説してみました。




今日は、古典バレエの王道、「白鳥の湖」を紹介します。

本作品は、チャイコフスキーの3大バレエで、最初に作られました。
今でこそ、名作中の名作ですが、実は初演は大コケしてしまったという逸話があります。

白鳥の湖がヒットしたのは、チャイコフスキーが没後のこと。

マリインスキー・バレエ団で、プティパと弟子のイワノフが演出や振付けを改訂して上演したところ、大成功をしました。

その後、様々なバレエ団で振付家による改訂、再解釈が行われ、多くの亜流ができました。

まずはメインストーリーから、順番に見ていきましょう。

「白鳥の湖」登場人物の紹介

白鳥の湖のオデットとオディール主役はオデットとオディール、そしてジークフリート王子であり、ロットバルトも準主役として有名です。
しかし、その他にも、キーとなる人物がいます。

主な登場人物
オデット:ロットバルトの呪いによって白鳥になったお姫様。
ジークフリート:王子
ロットバルト:オデットを白鳥に変えた悪魔。フクロウがモデル。
オディール:ロットバルトの娘。王子を誘惑する。

王妃:ジークフリートの母。ジークフリートに結婚を促す。
ウオルフガング:ジークフリートの家庭教師
ベンノ:ジークフリートの友人
道化

「白鳥の湖」あらすじ

白鳥の湖は4幕からなります。
結末や細部は版によって異なるため、ここでは、原点と言われるプティパ・イワーノフ版のあらすじをご紹介します。

序奏

オデットが花畑で花を摘んでいます。
そこへ、悪魔ロットバルトが現れ、オデットを白鳥に変えてしまいました。

第1幕

王宮の前庭
今日はジークフリート王子の21歳の誕生日。
お城の前庭には王子の友人が集まり、祝福の踊りを踊っています。

そこへ王妃が現われ、明日の王宮の舞踏会で花嫁を選ぶよう、王子に言いました。

王妃にそう言われても、王子はまだ結婚する気がありません。
王子は物思いにふけり、友人達と共に白鳥が住む湖へ狩りに向かいます。

第2幕

夜の湖を泳ぐ白鳥静かな湖のほとり
湖では白鳥たちが優雅に泳いでいます。

月の光が出ると、白鳥達がたちまち娘たちの姿に変わっていきました。

その様子を見た王子は、娘達の中でひときわ美しいオデット姫に惹きつけられます。
話を聞くと、オデット姫は、夜だけ人間の姿に戻ることができるというのです。

そしてこの呪いを解くためには、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらわねばいけないことを知ります。
王子は、翌日の舞踏会にオデットを招きました。

第3幕

王宮の舞踏会
舞踏会には、世界各国から花嫁候補が招かれ、王子に自国の踊りを披露します。

そこへ、ロットバルトの娘・オディールが現われました。

妖艶で美しい彼女を王子は花嫁として選びます。
しかし、彼女はロットバルトが仕掛けたオデットに似せた女性でした。

一部始終を見ていたオデットは湖へ走り去り、白鳥達に王子の偽りを伝えます。

一方王子は、悪魔に騙されたことに気づき、嘆きます。
そして、急いでオデットの元へ向かうのです。

第4幕

もとの湖のほとり
破られた愛の誓いを嘆くオデットに王子は許しを請います。

そこへロットバルトが現われます。
王子は、敵わなくても良いと跳びかかり、激しい戦いが始まります。

激戦の末、何とか王子はロットバルトに勝利しますが、時既に遅く、白鳥たちの呪いは解けません。
絶望した王子とオデットは湖に身を投げて来世で結ばれます。

「白鳥の湖」公演時間

公演時間は、約2時間半です。

「白鳥の湖」見どころを解説

オデットとオディール白鳥の湖の見どころは3つあります。

  1. ドラマ性
  2. 1人2役を演じきるプリマの演技力
  3. 白鳥たちのコール・ド・バレエ

ドラマ性

白鳥の湖は有名な作品ですが、ストーリーや解釈は版ごとに異なります。

そのため自分が観ている作品が、誰の感情がどのように動き、ストーリーがどのように展開していくのか、を比較していくと楽しいと思います。

1人2役を演じきるプリマの演技力

初演時は白鳥と黒鳥は別のプリマが演じていました。

その後、プティパ・イワーノフ版の初演時に、マリインスキー・バレエ団のプリマ、ピエリーナ・レニャーニが両方を演じ、1人2役が定着しました。

白鳥たちのコール・ド・バレエ

白鳥たちのコール・ド・バレエ一糸乱れない群舞の踊りは、他のバレエ作品に比べても非常に美しいです。
群舞を堪能するために、敢えて2階や3階の席から鑑賞するバレエファンもいます。

「白鳥の湖」バリエーションの紹介と解説

今回は、各幕から1つずつご紹介します。

1幕 友人のパ・ド・トロワ

誕生日会の席で王子の友人達が踊るパ・ド・トロワです。
男性は彼の友人ベンノが務めます。

全体として明るく軽快なのが特徴。

第1バリエーションは、クラリネットのメロディから始まる、軽快ながら大人っぽい落ち着きを残した曲です。

第2バリエーションは、スタッカートの効いた、軽快な曲。
第1バリエーションより少し難易度は高いですが、どちらも初級〜中級の間ぐらいと言えるでしょう。

どちらのバリエーションでも、部分的に男性ダンサーとの掛け合いがあるのも特徴です。

こちらはマリインスキー・バレエ団の公演です。

2幕 オデット

呪いをかけられた白鳥のバリエーション。
スローテンポで静かな曲で、白鳥の儚さと悲しみが表現されています。
トゥで立ってからポーズをとるので、きちんと立てないと難易度が高くなります。

こちらは、ザハロワによるバリエーション。

3幕 オディール

言わずと知れた、32回のグラン・フェッテのあるグラン・パ・ド・ドゥのバリエーションです。

バリエーション部分も回転のパから始まります。
全体的に、王子を誘惑するため、派手な振付けになっています。

白鳥の善良な儚さと反対に、黒鳥は自信に溢れ、人によっては見るものに妖艶さ挑発的な印象すら与えます。

アチチュードをしたまま、軸足のみトゥで立ったり降りたりするため、1つ1つのポーズの安定感が重要になります。
こちらは上級レベルのバリエーションでしょう。

参考動画はオデットと同じくザハロワ。
白鳥の違いも確認してみてください。

4幕 ディベルティスマン(各国の姫)

ディベルティスマンとは、物語と関係なく挿入される踊りのことです。
本作品では、王子の花嫁候補たちが各国の踊りを披露する部分が該当します。

元々は民族衣装を模した衣装で踊っていましたが、版によってはトゥ・シューズで統一されている場合もあります。

この部分の楽曲は、ゆったりと始まり、後半部で突然テンポが上がり盛り上がって終わる構成になっていることが特徴です。

今回は、参考動画として、マリインスキーとボリショイの2種類を交互に添えています。
マリインスキーの方が華やかで民族舞踊に近く、ボリショイの方がバレエとして振付け直しています。

スパニッシュ(スペイン)

エキゾチックなスパニッシュは、オディール登場の後に配置されることが大半です。
鈴の音が特徴的で、衣装としては、扇子を持つことが多くあります。

今回は、ロング丈のスカートを活かしてエレガントな振付けになったマリインスキー版を。

チャルダッシュ(ハンガリー)

哀愁を帯びた、バイオリンの流れるようなメロディと、伴奏のハーモニーが綺麗な曲です。
1つ1つのポーズを大切になぞるような振付けとなっています。
後半、テンポが上がって盛り上がってくると、バレエのパと言うよりもチャルダッシュ的な動きが増えていきます。

今回は、アレンジと振付けが好きだったボリショイ版を。

ナポリ(イタリア)

華やかな序奏に続き、コルネットがのどかな印象を与える楽曲です。
タンバリンを片手に持ち、時々打ったり振ったりするのが特徴です。
チャルダッシュ同様、曲の後半に向けてテンポが上がっていき、パも忙しなくなります。
このマリインスキー版では、中心に男性が1人いる珍しい構成となっています。

ルースカヤ(ロシア)

この曲は、後で追加されたため、踊られないこともあります。
しかし、チャイコフスキーのお気に入りの曲とも言われ、別の作品にも収録されています。
バイオリンを基調とした、物悲しくもどこか楽しそうな曲です。
後半のアップテンポな部分では手打ちも入り、一層もりあがります。

動画は、ロシア的な冠がバレエの衣装としては珍しいボリショイ版。

マズルカ(ポーランド)

出だしから華やかで力強い曲です。
中盤の曲調が穏やかになる部分では、男女のペア4組で次々と変化するフォーメーションが魅力です。
他の曲と異なり、華やかな曲が一度落ち着き、序盤より速いテンポでまた力強いメロディに戻ります。

こちらは、最初から男女8名で踊るマリインスキー版。


バレエのバリエーション難易度別一覧と見どころ【初心者向けも紹介】

2017.11.20
ミキコ
長いので記事を2分割にしました。
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こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。