今日は、わたしが好きなバレエダンサー、熊川哲也さんについてお話します。[/voice]
日本を代表する非常に有名なダンサーなので今更解説などはいらないと思いますが、わたしが尊敬している理由などお話します。
■目次
わたしがバレエダンサー熊川哲也を知ったきっかけ
最初に熊川さんを認識したのは、ローザンヌ国際バレエコンクールでした。
日本人で初めて金賞を受賞した、跳躍力のすごい若手ダンサー、という認識でした。
最近はダンサーとしてよりも、K-Ballet Companyの主催者・芸術監督・振付家としてご活躍されています。
毎年新作を発表し、古典も再振付をして、多くの舞台を作っています。
一般的に、優秀なダンサーが必ずしも指導者として、舞台監督として、振付家として、優秀とは限りません。
反対に、優秀な舞台監督や、指導者、振付家が、優秀なダンサーだとも限りません。
その中で、ダンサー、監督、振付家、あらゆるポジションで才能を発揮できる彼は、バレエのために生まれた人だとわたしは思っています。
改めて、熊川哲也さんはどんなバレエ人生を送ってきたのか、まずは見てみたいと思います。
熊川哲也のwiki風プロフィールと経歴。ローザンヌ受賞など数々の輝かしい偉業
熊川哲也さんは、1972年に北海道で生まれ、10歳でバレエを始めました。
15歳の時に英国ロイヤル・バレエ学校に留学し、卒業後は、英国ロイヤル・バレエ団に入団しました。
退団後、日本に帰国して自身のバレエ団を創立、現在は芸術監督や振付家としてご活躍されています。
- 日本人で初めてマリインスキー劇場のステージに立つ
- ローザンヌ国際バレエコンクールにて、日本人で初めてゴールド・メダル受賞
- ヨーロピアン・ヤング・ダンサーズ・オブ・ザ・イヤー・コンクールで金賞受賞
- 東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団
- 史上最年少で同バレエ団のソリストに昇格(のちにプリンシパルに昇格)
その他、国内でも、朝日舞台芸術賞、紫綬褒章などを授与されています。
これらはほんの一部ですが、国内外の評価・業績が凄すぎて言葉が出ません。
日本ではローザンヌ国際バレエコンクールで一気に知名度が上がりましたが、コンクール出場前から突出した才能を持った方だったことがわかります。
東洋人初、日本人初、史上最年少といった言葉も多く、まさにバレエのために生まれてきたような、パイオニアです。
国内外でこんなにも評価の高い方は、バレエ界に限らず多くないのではないでしょうか。
熊川哲也の高いジャンプと説得力のあるダンス
彼のダンスにおける長所といえば、言わずと知れた卓越した跳躍力です。
人並み以上に高く飛ぶ上に、ふわりと優雅に着地します。
もう1つの熊川さんの魅力として、わたしは正確さがあると思います。
いつ、どのポーズを見ても、彼の踊りは教本のように綺麗なポーズをしています。
これが、彼のダイナミックなダンスを、粗くせず、むしろ説得力のあるものにしていると思っています。
演出家・振付師としての魅力
熊川さんを拝見していると、ともかくバレエを愛しているという印象を受けます。
具体的には、多様なお客さんを楽しませられる舞台作りに真剣です。
また、ただ良い舞台を作るだけでなく、人材育成にも力を入れ、バレエ界に貢献することにも責任を感じていらっしゃいます。
自分が頑張るだけではなく、自分がパイオニア的存在であると客観的に認識し、業界に貢献しようという意識が持てるのは、すごいことだと思います。
どんなプロにも通じますが、決して妥協せず良いものを作ろうとこだわる人、そして立場相応の自信を持って堂々としている人がわたしは好きです。
熊川さんの舞台作りの姿勢で素敵だと思っている3つのポイント
[aside type=”boader”]- 温故知新の精神
- 観る人全てが楽しめる舞台作り
- 「バレエは美しくなくてはいけない」という信念
温故知新の精神
熊川さんは、バレエは総合芸術であり、踊り、文学、音楽、絵画といった多様な芸術が融合したものだと仰っています。
いずれも古くからある芸術ですし、バレエ自体も歴史ある芸術です。
熊川さんの、そうした歴史や伝統を大切にしながら、革新的なことをしていく姿勢が、わたしはとても好きです。
例えば、「白鳥の湖」、「ドン・キホーテ」、「くるみ割り人形」といった古典的な作品で、彼は朝日舞台芸術賞を受賞しました。
脈々と受け継がれてきた作品の伝統を重んじながら、演出・振付を刷新し、伝統と革新を融合させたことが、受賞に繋がったのではないかと思います。
こうした姿勢は作品作りだけでなく、先人を大切にして敬意を表す彼の姿勢にも現れていると思います。
先達を敬う気持ちが、自信家な彼の謙虚さであり、そこがわたしは好きです。
観る人全てが楽しめる舞台作り
熊川さんは、バレエを文化として根付かせるため、バレエファンを増やすことを真剣に考えています。
そのため、バレエを知らない人でも、どこか楽しいと思えるように衣装や装置を工夫しています。
また昔ながらのバレエファンに対しては、新しい振付や演出で魅了します。
そうして敷居を下げ、観てもらった上で良さが分からなければ離れてもらってもよい、というスタンスを取っています。
このように、様々なレベルのお客さんが楽しめるような舞台作りは、努力とバレエへの愛情ゆえなのではないでしょうか。
「バレエは美しくなくてはいけない」という信念
テレビでこの発言を聞いた時には、ハッとさせられました。
この美しさは、踊りや見た目だけではありません。
「バレエは嫉妬や妬みといったドロドロした感情が渦巻く話が多い。
けれども、ドロドロしたものも美しく見せなきゃいけない」と話していました。
言われてみれば、バレエは恋愛の話が多く、嫉妬や騙し合いといったシーンも頻繁に出てきます。
それでも印象として、主役であり、主な観客である女性が美しいと思える作品にしなくてはいけないのです。
まとめ
少し長く語りすぎてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
まだまだ語りつくせていませんが、この辺で自重します。
ダンサーとして、芸術監督として、振付家として才能を発揮する熊川さん。
バレエを愛し、潔癖なまでに真剣に取り組んでいる姿にわたしは惚れ惚れしています。
自分に自信がありながらも、女性の多い世界で、女性が主役だというバレエの世界観を大切にするフェミニストなところも好きです。
こうした彼の功績は、才能だけではなく、着実に人並み以上の努力をしてきた結果だと思います。
最近はあまりダンスが見られなくなってしまいましたが、これからも様々な舞台を作り続ける熊川哲也さんに、まだまだ目が離せなさそうです。
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前向きな気持ちになれる素敵な映画なので、ぜひチェックしてみてくださいね。[/voice]