いろはちゃんも上達すれば、もちろん踊れるよ。
■目次
バリエーションの意味
バリエーションとは、バレエ演目の中での「ソロ」で踊る曲のことを言います。
女性が1人で踊る曲は、とてもたくさんの種類があることに由来しています。
フランス語でヴァリシオンと言うこともありますが、日本では英語読みのバリエーションが主に使われています。
バリエーションは曲によって、大まかな振り付けが決まっています。
それぞれのバリエーションには見どころとなる技やポーズなどがあるのも特徴です。
多少アレンジを加えて変化させることはありますが、基本的な構成や技はみな同じになります。
有名なバリエーション一覧と見どころ
難易度…低め
キューピットのバリエーション
https://youtu.be/wG2SXm7TZiM
ドン・キホーテの夢の場面に登場する有名なバリエーションです。
キャラクター性の強い個性的な踊りで、子供からの人気も高い踊り。
振り付けの難易度も低めなうえ、踊りの時間も非常に短いです。
初心者が挑戦しやすい曲ですが、テンポが速いのでしっかり音に乗ることが大切です。
ペザントのバリエーション
ジゼルの第1幕で踊られるバリエーションです。
特別大きな見せ技はありませんが、可愛らしく軽やかな振り付けが特徴です。
小学生から中学生くらいから挑戦することが多く、難易低めです。
フロリナ姫のバリエーション
眠れる森の美女、第3幕で登場するブルーバードとフロリナ姫のバリエーションです。
エシャッペやパッセなど、初歩的なステップが多いので難易度は低めです。
しかし、初歩的なステップだからこそ美しく軽やかに表現しないと、つまらない踊りになりがちなので、表現力が求められるバリエーションでもあります。
オーロラ姫のバリエーション・第3幕
眠れるの森の美女より、第3幕のオーロラ姫のバリエーションです。
バリエーションに初挑戦する人や、初めてのコンクールなどに使われるバリエーションです。
バリエーションの中では、最も定番というイメージがあり、有名です。
難易度は低めですが、最後にピケターンの1周があります。
キトリのバリエーション・第3幕
ドン・キホーテ第3幕、キトリの結婚式でのバリエーションです。
こちらは扇子を持ってダイナミックにジャンプをする振り付けが特徴です。
めでたいシーンの明るい曲なので、元気に踊るのがポイント。
それほど難易度は高くありません。
ジャンプが得意な人や、アクティブな踊りに挑戦したい方向けです。
難易度…中
スワニルダのバリエーション
コッペリアに登場するスワニルダのバリエーション。
スワニルダのかわいらしい帽子と、白いチュチュが印象的です。
バリエーションの中では知名度も高く、馴染みのある踊りのひとつ。
前半の難易度は低めで、若さや可愛らしさなどの表現力の方が求められます。
しかし、最後にイタリアンフェッテとピケターンの1周が登場するので、後半
に難易度が高まります。
オーロラ姫のバリエーション・第1幕
眠れる森の美女より、第1幕のバリエーション・ローズアダージオです。
全体的に曲調がゆっくりで、それに合わせたステップと表現力が少し難しいです。
また、中盤にピルエットを4回決める振り付けが出てきます。
全てダブルだったり、最初の3回がダブルで最後の1回がトリプルになったりと、様々なパターンがあります。
吉田都さんは、このバリエーションの最後のピルエットで5回転を見せています。
ガムザッティのバリエーション
ラ・バヤデールより、ガムザッティのバリエーションです。
グランパドシャの連続が特徴ですが、イタリアンフェッテが入ることもあります。
ニキヤのライバルであるガムザッティには、強さのあるダイナミックな踊りが求められます。
見ているだけだとあまり難しそうに感じられないのですが、ジャンプの連続とイタリアンフェッテ、最後にまたジャンプと、休む間もない振り付け。
体力がないと最後まで踊ることができないバリエーションです。
金平糖の女王のバリエーション
くるみ割り人形より、第2幕のグラン・パ・ド・ドゥで踊られるものです。
お菓子の国の女王である、金平糖の精。
あまり難易度は高くありませんが、美しく可憐なお菓子の国の女王を表現するのは難しいです。
音楽も、静かで実に繊細な曲。
そのため、曲中でメリハリをつけるのがとても難しいバリエーションであると言えます。
ドルシネア姫のバリエーション
ドン・キホーテ第2幕より、夢の場面に登場するドルシネア姫の踊りです。
序盤のゆっくりとした音楽に合わせて、しっかりポーズをとる振り付けが思いのほか難しいポイント。
ごまかしがきかないので、バランス力やキープする引き上げ力が試されます。
脚を高く上げてキープしたり、ポアントで立ちながら移動したりという難しい振り付けも登場します。
最後にはイタリアンフェッテとピケターン1周が入るので、中級者以上に適したバリエーションです。
海賊のバリエーション
海賊より、メドゥーラのバリエーション。
ピルエットやフェッテなどを組み合わせたターンがポイントのバリエーションです。
バレエの定番衣装のチュチュではなく、ジョーゼットという衣装であるのが特徴。
軽い素材のワンピーズのような衣装で、海賊やロミオとジュリエットなどで登場します。
海賊のバリエーションにはいくつか種類がありますが、どれも同じようにジャンプや回転技が多く、非常に体力が要ります。
中級者以上でないと挑戦しにくいでしょう。
エトワールのバリエーション
パキータより、エトワールのバリエーションです。
ハープをメインに構成された曲で、大人っぽい雰囲気が求められます。
脚を大きく上げてキープし、はっきり見せる振り付けが多いので、柔軟性とキープ力が必要になります。
アティチュード・ターンなどのバランス力が重要な振り付けが入ることも。
柔らかい動きと、キレのある動きをはっきり使い分けるのが、上手に踊るポイントになります。
オデットのバリエーション
白鳥の湖より、オデットのバリエーション。
ポアントでルルベ・アップしてから、脚を動かし、キープするというステップが多いです。
優れたバランス力と、引き上げる腹筋の力が必要。
また、白鳥のか細く儚い様子を表現するのも難しく、体型や骨格などで見栄えが大きく変わります。
誰でも挑戦できるバリエーションではない、と考えたほうがよいでしょう。
難易度…高め
パリの炎のバリエーション
パリの炎に登場する、明るくかわいいバリエーションです。
しかしそのかわいさと裏腹に、ポアントで立っている時間があまりにも長いことから、難易度は非常に高いと言えます。
バレエシューズ部門のコンクール課題曲になることは多いですが、ポアントで踊るのとバレエシューズで踊るのとで、曲自体の難易度が大きく変わるバリエーションなのではないでしょうか。
ダイアナのバリエーション
ダイアナとアクティオンより、ダイアナのバリエーションです。
ジョーゼットに、弓矢を持って踊る個性的な踊りです。
脚を高く上げてキープする振り付け、高いジャンプ、回転技と、難易度の高いパが多いのも特徴になります。
グラン・パ・クラシックよりバリエーション
グラン・パ・クラシックは、第1幕~という構成ではなく、グラン・パ・ド・ドゥそのものの構成で成り立つ演目です。
その中の女性の踊りが、このバリエーションになります。
曲自体はゆったりと落ち着いた曲ですが、アテールからポアントに立ち上がるステップが非常に多く、とても強靭な腹筋がないと踊れない曲です。
後半、舞台の下手前から上手後ろに向かって、フォンデュとターンを組み合わせながら、軸足でポアントとアテールを繰り返すステップがあります。
これは見ている方に力が入りそうなくらい、難しい振り付けです。
オディールのバリエーション
白鳥の湖、第3幕よりオディールのバリエーションです。
とても優雅で美しい曲調のバリエーションですが、ほぼ回転しています。
全ての構成が回転技で組まれているので、難易度は非常に高いでしょう。
また、オディールは強い性格の役どころですが、黒鳥らしい繊細な部分も表現しなければなりません。
技のみならず、表現的にも非常に難しいバリエーションになります。
エスメラルダのバリエーション
https://youtu.be/gHEzvBgMvDU
エスメラルバのバリエーションでは、タンバリンや弓矢が使われます。
赤や黒などのはっきりした色のチュチュに、タンバリンのイメージが強いのではないでしょうか。
脚でタンバリンを打つのがとてもかっこよく、回転しながら、また高く上げた手足でタンバリンを打つ振り付けが多いです。
小道具を使うことや、大人っぽい表現力が求められることからも上級者向けのバリエーションになっています。
チャイコフスキーのバリエーション
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥの中の女性バリエーションです。
一つひとつの振り付けは難しいものではありません。
しかし、曲のテンポがとても速く、音に合わせるのがとても難しい踊りです。
体重移動や上半身の使い方など、表現の仕方がイマイチだと実に単調に見えてしまいます。
上級者が表現重視で披露するバリエーションだとも言えるでしょう。
大人初心者でも挑戦できるものはある?
大人初心者が最初に挑戦するのに最適でしょう。
しかしこのバリエーションも、他のバリエーション同様最後にターンの連続技が入ります。
ただ、上手うしろから下手の前方まで、斜め一直線なので、そのぶん難易度低めです。
ピケではなくシェネに変更されることもあるので、難易度を低めに変えてもらうこともできます。
また、もう少し練習してピケターン1周ができるようになると幅が広がります。
毎回違う方向に脚を出しながらピケターンするので、最初は苦戦するかもしれません。
しかしこれができるだけで、踊りの迫力が一気に増すので頑張って練習してみましょう。
練習方法とうまくなるコツ
大人初心者の方がバリエーションをうまく見せるには、その役になりきって表現力を磨くのが一番の近道です。
もちろん、基礎的なステップは基本に忠実に行いましょう。
しかし、決められたステップをこなすだけで精一杯では、バリエーションを踊る意味がありません。
短い踊りの中でも、しっかり個性を表現し、物語を意識しましょう。
バリエーションは、役の個性がはっきり決まっている踊りです。
そのため、ある程度踊る人に似合ったバリエーションを配役してくれます。
その配役を最大限に生かして、大人の表現豊かな踊りを見せていきましょう。
さらに、そんな表現力に磨きをかけるには、実際の作品中のバリエーションをたくさん見て練習に生かすことです。
振り付けも大体似ている物が多いので、参考にしやすいでしょう。
動画やDVDなどでプロが踊るバリエーションを見て、研究するのも1つの手です。
その中で真似できそうなことはどんどん吸収して、あなたの踊りに生かしてください。
バリエーションのDVD
マラーホフが直接指導しています。
ていねいな説明でとても勉強になりますよ。
オニール八菜による美しいデモンストレーションは必見です。
勉強になったよー!
バリエーションを踊るにはテクニックや表現力を磨くことも重要だけれど、普段のカラダづくりも同じくらい大切よ。
下の記事にも目を通してみてね。
バレエ初心者の方だったり、バリエーションを学びたい時にすごく役立つ記事ですね★
ブログの内容記事も項目毎、読みたい部分へすぐに飛べるようになっていたりと、とても見やすく読者の気持ちに立って考えて作られているなぁと思いました(・ω・●人)
こんなにも細かな特徴があるからこそ、バレエは美しく繊細なのでしょうか♪
バリエーションの名前も可愛いものが多くて女心もくすぐられちゃいます♪
ぴのんさん、コメントありがとうございます。
役立つ記事と褒めていただけてとても嬉しいです。
バリエーションは奥が深いですよね。
定期的に記事を更新していますので、ぜひまた遊びにきてくださいね。