■目次
著者:リサ・マイルズについて
2015年の3月にリサ・マイルズによって、河出書房新社から刊行されているガイドブックです。
著者はイギリス出身のライターとして執筆活動を続けつつ、編集者としても数多くのジュヴナイル文学の出版を手掛けてきました。
バーミンガム・ロイヤル・バレエの提携を得て、バレエに関する専門書の発行にも関わっています。
この本の監修を担当しているのはパリ・オペラ座バレエと、ロシアのマリインスキー・バレエと肩を並べるほどの、世界最高峰のバレエ団である英国ロイヤル・バレエです。
プライベートでも映画から舞台芸術にダンスまでと造詣の深い、著者の熱い思い入れが込められている1冊になります。
バレエの歴史
まずは15世紀における宮廷の出し物から現代アートへと、バレエの移り変わりを見ていきましょう。
15〜16世紀頃にイタリアとフランスの宮廷で発達していったのが、バレエの始まりと言われています。
歴史と威厳がたっぷりな王宮内では、王族に仕える貴族たちは綺麗な衣装を身につけて優雅な振る舞いをしなければなりません。
礼儀作法やテーブルマナーを習得する感覚で、当時の上流階級に生きる人たちがバレエを習っていたのが意外ですね。
19世紀の初頭にはロマン主義の台頭によって、イギリスやロシアでもバレエは盛んになっていきました。
20世紀にはジャズやコンテンポラリーダンスといった異なる価値観を、柔軟に取り入れて発展していく様子が魅力的です。
知られざる舞台裏に迫る
バレエ・カンパニーでは実に多種多様な人たちが働いていて、その具体的な仕事内容を本作品では垣間見ることが出来ます。
バレエ団の先頭に立って、個性豊かな団員たちをリードしていくのは芸術監督です。
カンパニーをどう動かすのか、どんな演目を上演するのか、誰をどの役にキャスティングするのか。
その全てを開演までに、たったひとりで決断しなければならないというのは責任重大ですね。
プリンシパルやソリストといった花形のポジションばかりではなく、衣装係やメイクアップ・アーティストといった裏方さんの存在も欠かすことはできません。
観客の見えないところで多くの人が、自分自身の仕事に誇りを持って取り組んでいることがひしひしと感じ取れました。
バレエ教室からバレエ・スクールへ
専門のスクールに通って専属の講師の下でバレエを習うことは、どうしても敷居が高く感じてしまうかもしれません。
街中のバレエ教室では、週に1回1時間程度から気軽に体験できる初心者コースが用意されています。
ステップや立ち位置に代表されるような基礎的なトレーニングが終わった後には、教室の発表会で踊る作品の練習です。
進級テストやコンクールを受けてみると、自らの上達ぶりを確認することができます。
地元のバレエ教室でトップレベルだとしても、本格的なバレエ・スクールへの入学は並大抵の努力では勤まりません。
狭き門ということでは、スポーツや音楽の世界にも繋がるものがありました。
古今東西の名作に多様なメディアから触れる
「眠れる森の美女」や「くるみ割り人形」を始めとする、クラシック・バレエの名作のストーリーを紹介するページも用意されています。
大まかなあらすじを予め頭の中にインプットしておくことによって、観劇に行った時にひとつひとつの場面をより一層味わうことができるでしょう。
「不思議の国のアリス」や「真夏の夜の夢」など、読書を通して予習しておくのもいいかもしれません。
自分の生まれ育った町の映画館で、英国ロイヤル・バレエやモスクワのボリショイ・バレエを見ることができるのは嬉しい限りですね。
2018/19シネマシーズンが現在上映中です。
詳しいスケジュールやラインナップは、以下の公式サイトをチェックしてみてくださいね。
参考:英国ロイヤル・オペラ・ハウス 2018/19 シネマシーズン
参考:ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2018 – 2019
プレゼントにもぴったり!
巻末にはバレエにまつわる専門用語が分かりやすく解説されている、索引があるので便利です。
きらびやかな装丁と美しいバレリーナの写真がプリントされたブックカバーを開いていくと、豊富なイラストと写真が満載になっていて楽しめます。
何より美しい写真が満載なので、パラパラ眺めてるだけでもワクワクした気分になれます(*^^*)
イラストが豊富で、とっても読みやすいですよ^^