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「舞姫 テレプシコーラ」・・この優美にして典雅な響きのあるタイトルに、大抵の読者はその名同様のロマンチックな物語をイメージすることでしょう。
しかしそこが伝説のバレエ漫画「アラベスク」の原作者にして、人間の業と性(さが)を鋭くえぐり出す山岸凉子氏の作品、一筋縄ではいきません。
■目次
舞姫 テレプシコーラのあらすじ
この作品は「バレエ」という華やかな夢舞台の裏側の少年少女たちの厳しい現実と、それを取り囲む日本のバレエ界の稚拙さを余すことなく描いた異色作です。
物語の中心になっていくのは、以下の3人の少女たちです。
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- 主人公にしてバレエ教室を経営する母のもとで育った六花(ゆき)
- 六花(ゆき)の姉で未来のバレリーナとしての豊かな天分に恵まれ、周囲から多大な期待を寄せられている姉の千花(ちか)
- 物語のキーパーソンというべき謎の少女、須藤空美(すどう くみ)
六花のクラスに空美が転入してくる
少女とは思えない醜い顔立ちと周囲に馴染めない孤独癖から、早速いじめにあう空美の存在は物語冒頭から不穏分子であり、早くも不協和音のような歪な空気を醸し出しています。
ですが、幼い頃からバレエに慣れ親しんでいた六花だけは彼女の天性のアンディオール(外向き)の足を見抜きます。
果たして六花の見立て通り、空美は「早すぎた天才」とまで言われたかつてのプリマバレリーナである伯母、須藤美智子の苛烈なワガノワ・メソッドを叩き込まれたバレエの天才少女でした。
しかし、酒乱で無職な父親と、美智子のわがままに翻弄される母親からはほとんど放置されていた空美は服装も礼儀作法もなっておらず、感情もどことなく欠落しています。
しかし、この醜い少女が一度踊り始めると途端に妖しい美しさを纏い始めるのです。
この「美」と「醜」の表裏一体の混沌とした魅力が作者の山岸氏特有の、細い細い繊細な筆使いによって描かれており、読む者を引き込みます。
また、バレエの天才でありながらも足を負傷し、度重なる不幸のために精神に異常をきたしている美智子が、空美のバレエのレッスンに携わっている時のみ正気に戻り、いきいきと美しくさえ見える場面では、「バレエ」の持つ魔力と恐ろしさすら感じさせられます。
この破綻しきった異常な空美の家とは正反対に、六花と千花の世界は平和で健全そのものです。
六花と千花の平和な日常も音を立てて崩れ始める
しかし、ここでもまたわずかな軋みや綻びがあり、これらは後に彼女たちに思いもよらない未来をもたらすことになります。
しかし、ここで救いになるのは六花の存在です。
股関節の形がバレリーナに向いていないなどの欠点や、優等生の姉に対するコンプレックスで落ち込んだり泣いたりする姿には、バレエ経験があるにもないにもかかわらず、多くの少女たちにとって共感できるものです。
読者はこの六花の姿を通し、時に迷い、涙しながらも、自分の道をひたすら真っ直ぐに歩くことを学んでいくでしょう。
舞姫 テレプシコーラのレビュー。ネタバレあり。
また、この作品を単なる少女たちの物語にしていないのは、現代の日本のバレエ界・・。
どこまでも組織的かつ閉鎖的、選択肢がとぼしく多くの少年少女たちが挫折をしても救うことすらしない冷淡な世界です。
金銭的援助なくしては成り立たない貧弱な企業体質を、作者がいささかの甘さもなく冷酷に描ききっています。
この体質ゆえに、後の千花に降りかかることになる悲劇が、バレエを目指す誰の身にも起こるかもしれない・・バレエを愛する作者の山岸氏からの警鐘かもしれません。
【物語は2部制】六花がローザンヌを目指し奮闘する姿が描かれる2部
第2部では高校一年生になった六花がローザンヌを目指し、更に過酷なライバル達との戦いに身を投じることになります。
そこに登場する新キャラクターである「中国系アメリカ人」のバレリーナ、ローラ・チャンとの出会いで物語は大きな局面を迎えることになります。
アジアンビューティ然とした美しさに加え、「生まれながらのアンディオールの足」「完璧な技術」といった、誰かを連想させる特徴を持つローラ・・残念ながら物語は完結していませんが、自分なりの今後のストーリーを想像してみるのもひとつの楽しみかもしれません。
この作品の纏う不思議なバレエの魔力に是非一度取りつかれてみませんか?
バレエに興味があるなら1度読んでおいて損はない、オススメの作品です。
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「アラベスク」はバレエ漫画の金字塔的存在です。
下の記事もよんでみてくださいね。[/voice]