バレエの世界に夢を持たせてくれる漫画「トウ・シューズ」。
今回はわたしの大好きなバレエ漫画の感想を書きます。
■目次
王道の少女漫画家が描くバレエ漫画「トウ・シューズ」
#トウシューズ 完結済 作者⭐水沢めぐみ 集英社 バレエ漫画Ⅲ 友達に誘われて行ったバレエの舞台。そこでバレエの世界に心奪われたくるみのバレエストーリー。くるみのあるコンプレックス、周囲との差、憧れの人、すべてを通じて成長していくバレリーナへの道のお話。 私のバレエ漫画との出会いの作品。バレエを習っていた友達の家で読んだのを今でも覚えています。水沢めぐみさんの作品はどれも暖かくて大好きです。 #トウシューズ #水沢めぐみ #マンガ大好き #漫画好きな人と繋がりたい
この漫画の著者、水沢めぐみさんによる作品です。
集英社のコミック「りぼん」に1997年~1998年まで連載されていました。
「姫ちゃんのリボン」など有名な作品を生み出している漫画家さんで、子供から大人まで幅広い層の女の人に支持されています。
水沢さんはこの漫画を描くにあたって、自分自身もバレエスクールに通い、発表会に出演するまでに至っています。
オーソドックスな少女漫画でありながらも、バレエのことをしっかり調べられていることがよく伝わります。
あらすじ
主人公の「森野くるみ」は、友人の誘いでバレエ公演を見に行き、それ以来バレエにの魅力にとりつかれます。
そしてバレエスクールに通うようになり、努力の甲斐あってスクール付属のバレエ研究所に研究生として加入するのです。
そこでは今までとは違い、様々な困難や課題がくるみの行く手を阻みます。
しかし、幼馴染でプロのサッカー選手を目指す「岩崎智也」によって励まされ、自信を取り戻していきます。
そしてその後も、プロのバレリーナを目指し、世界に羽ばたいてく様子を描いたサクセスストーリーです。
漫画トウ・シューズの見どころ
この漫画の最大の魅力は、とにかく登場人物のキャラクターがとても生き生きとしているところです。
作者の水沢さんは、かわいい女の子を描かせたらピカイチ。
漫画の中に出てくる女の子、洋服、グッズなど、とにかくかわいい!
そしてそのキャラクターたちが、それぞれ成長していく様子もとてもよかったです。
おてんばでそそっかしいばかりだったくるみも、最後には素敵な大人の女性の魅力を感じられて、感動しました。
バレエを始めるきっかけを作ってくれた親友の、篠原桃子が後半、スワニルダの友人を踊るシーンもとても感動したのを覚えています。
登場人物がみなそれぞれ成長した過程がしっかり描かれていたので、最終巻を読んでいた時は「あともう少しで終わってしまう…。」とさみしい気持ちになったものです。
私が個人的に好きなキャラクターは、研究所で同じ研究生として出会う「樹山早紀」。
背が高く、スタイル抜群なのですが、その身長の高さゆえに、配役のオーディションに落選してしまうというシーンが印象に残ります。
背が高く、明るくてサバサバした早紀ちゃんが、当時の自分にちょっと重なる部分があって、好きでした。
そして、なんと言っても夢がある漫画であること。
もちろんバレエの世界は華やかな世界ですが、残念ながらこの漫画のようにそう簡単にバレリーナにはなれません!
しかし、これからバレエを習ってみたいと思っている人や、バレエを始めたばかりの人にはぜひ一度読んでほしい漫画です。
楽しくて、夢のある場所だということが、伝わるのではないでしょうか。
少女漫画には欠かせない、恋愛要素もたくさんあるので、バレエ漫画としてだけではなく、純粋な少女漫画としても楽しめます。
バレエにそこまで興味のない人でも、最後まで楽しんで読むことができるでしょう。
また、バレエのテクニック・表現力・コンクールや公演などについても、分かりやすく知識を得ることができます。
わたしも子供のころ、代表的なバレエ作品の簡単なあらすじを、この漫画で知ることができて、役立ったのを覚えています。
ただ、決して難しいことは書かれていないので、とても読みやすいのもおすすめのポイント。
大人になって読み返しても、テンポよく話が進んでいくので、読む手が止まりません!
経験者からすると、ちょっと物足りないかも?
この漫画は、やはりバレエに憧れを持っている人のための漫画です。
バレエを本格的に習っている人にとっては、展開に少し物足りない印象を受けるかもしれません。
本格的なバレエの世界ではありえないことが、なかなか多いからです。
例えば、小学校5年生でバレエを習い始めるのは、かなり遅めです。
プロを目指している人は、3~5歳くらいには始めている人が圧倒的に多いもの。
そして、そこから研究生やコンクールに出るレベルまで達するのが早すぎます。
漫画なのでそこは仕方のない部分ですが、簡単すぎてびっくりしました。
特別に配慮して研究生になったり、海外留学の権利を得たりする展開もありましたね。
特別に…ということは、まずないと思った方がいいです。
それともうひとつ、本当のバレエの世界では、研究所の先輩やプロの団員の方たちとあんな風にラフに話せることはまずありません。
スクールの雰囲気などにもよりますが、バレエの世界は上下関係も激しいことが多いです。
技術力によって配役やクラス分けが変わることもあるため、ピリピリした雰囲気なところももちろんあるでしょう。
トウ・シューズの作中にも、ちょっと強気なライバルも登場するのですが、かわいいものです。
でも、わたしもこんな風に楽しくバレエをやってみたかったと、とても強く感じます。
こんな風に先輩たちが声をかけてくれて、和気あいあいとした雰囲気だったら、もっとうまくなったかもしれない、なんて思ったりもしました。