「アラベスク」漫画のあらすじと感想を書いてみました。




アラベスク」は、ノンナ・ペトロワを主人公としているバレエ漫画です。

1971年から75年にかけて女性漫画の月刊誌に連載され、その後全4巻で単行本として発売されたものです。

「アラベスク」時代背景

この漫画が描かれた頃は、まだソビエト連邦の時代で、アメリカとソビエト、自由な資本主義社会と、共産主義社会の対立の構図がはっきりとしていた時代でした。

ヨーロッパも西側、東側とはっきりと分かれていて、今のヨーロッパのように自由に行き来できるような、そんな時代ではありませんでした。

ソビエト連邦には、この漫画に出てくる、ウクライナも含まれていました。

今でこそ、ウクライナは全くの独立した東ヨーロッパの国家ですけど、この漫画が描かれていた頃は、大きな国、ソビエト連邦、その一部だった、という理解で読み進めるとよいでしょう。

ストーリーの中で、西側に亡命するというシーンが描かれていますけど、この時代のソビエトでそれがどれほど大きな出来事なのか、ということも頭の中に思い浮かべるとストーリーの楽しさがぐんと深まりますね。

今の北朝鮮の状態、とまではいいませんが、それに近い、とイメージしたほうがよいのかもしれません。

たかが、漫画、と思われるかもですが、作者の山岸先生はよく調べられてそのあたりのことを描かれており、素晴らしいですね!

山岸凉子の繊細で卓越したデッサン力とバレリーナの体格について

山岸凉子が描くバレリーナ漫画の描き方ですが、デッサン力がとてもあり、大変美しく描かれています。

主人公の手足の長さ、バレエというものを考えると、日本人が主人公ではやっぱり華がないように思います。

バレエの先進国がソビエト連邦であったから、ソビエト連邦を舞台に描かれたのかもしれませんね。

また、それだけではなく、やっぱり日本人の体格ではどうしようもない、生まれ持った体質のようなものもあって、その点を考えると、このアラベスクという漫画はソビエトが舞台で、ソビエトの人種の方々を描くほうが、美しいのかもしれません。

当時、日本人でも、森下洋子さんのように世界で活躍されているバレリーナはいらっしゃいましたが、それは例外的に思います。

どう考えても、日本人では、ユーリ・ミロノフは考えられません。
あれほどバランスのとれた、細身の素敵な男性バレリーノ、あこがれの存在になるような人はいませんから。

日本人ですと、地方のバレエ団にノンナがノエラとして紛れ込んだときにいた、ノンナにいじわるをしたソリストの男性バレリーノのような、がっつりした体格のイメージになってしまって、どうもしっくりこないように思います。

そういった人物のデッサン以外にも、全体的にデッサンの力があって、とても素敵な漫画になっています。



「アラベスク」でバレエに憧れる少女たちが多数!

山岸凉子のバレエ漫画バレエの演目や技術についても、とてもすばらしく描かれています。

この漫画を見てバレエがやりたくなり、「アタック№1」をみて、バレーボールがやりたくなった女の子は全国にかなりの数、いたのではないでしょうか。

「アラベスク」でバレエってこんなポーズをするんだ、と思ってみたり、バレエの役柄にも、プリマ以外に、たとえば、キャラクターダンサーなどもあったり、群舞を踊る人がいたりするんだ、と思ったり…。

さらには、メジャーな「白鳥の湖」以外にも、こんな多くのいろんな演目があるんだ、と勉強にもなりますね。

本物のバレエ鑑賞に行くには、地方に住んでいる者にとっては、あまりにハードルの高いことでしたし、料金的にも子どもが見ることができるようなものではありませんでしたので、バレエの漫画でせいぜい楽しむ、といったところでした。

こぞって、バレエのポーズをしてみたり、バレエの感情表現の方法をまねてみたり、と、この漫画をきっかけとして、バレエに興味関心を高めていきました。

バレエはわたしの強いあこがれでした。

ノンナとミロノフの恋愛模様からも目が離せない!

また、この漫画は単なるバレエ漫画としてだけではなく、そこに、ノンナとミロノフとの恋愛も絡んでいます。

それも女の子としては憧れを強くする要因であったように思いますが、単にそれだけではなく、やはり話の中心には、バレエが据えてあるのがよかったです。

わたしが1番好きな「アラベスク」の場面は…

アラベスク完全版第1巻表紙この物語の中で個人的に好きな場面は、ノンナが失意のなか地方にいき、ひょんなことで、ノエラという偽名を使って、地方のバレエ団の裏方をすることになったシーンです。

そこで、実はノンナが有名バレリーナであることを見抜いていた、そのバレエ団のプリマであるオリガが自分が負傷したとき、ノンナを代役に推薦する、という場面です。

このバレエ団のオリガというプリマの方がノエラをノンナと見破って抜擢する場面には感動を覚えました。

このようなすばらしいバレエの漫画、近ごろもあるのかな、と思っています。
もっとも、もう、あまり漫画を読むような年齢ではなくなったからかもしれませんが。

いろは
山岸先生の「舞姫 テレプシコーラ」についても書いてみました。
下の記事もチェックしてみてくださいね^^

【舞姫 テレプシコーラのあらすじ】レビューしました。ネタバレあり。

2018.02.09






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こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。