バレエに関する書籍はたくさん販売されているかと思うが、ターンアウトに特化した書籍は珍しいので、これからもバレエを続けていくなかで、とにかくターンアウトをマスターしたい人にとっては、目からうろこのような書籍かと思いました。
■目次
ターンアウトが苦手な人は結構多い
日本人でバレエを志すうえで、だいたいの人がなかなか思うようにターンアウトができない自分に悩むと思います。
日本人とは骨格がちがい、小さいころにバレエに向いている骨格かどうかなどで選ばれ、またその中でも日々の練習でふるいにかけられて残った人たち。
わたし自身とは違って当然なのですが、著者の佐藤愛さんは、「実際、プロのダンサーの全員がフラットターンアウトを持っているのでしょうか?答えは否です。」と言っておられます。
[moveline color=”#afeeee” sec=”5″ thick=”40″ away=”2″]ダンサーにはターンアウトは必要でないといっているわけではなく、[move]「ターンアウトした脚で立つ」というのはバレエテクニックの基本で、トレーニングで鍛え育てることのできる「動き」[/move]だとおっしゃられています。[/moveline]よって、正しい知識とトレーニング方法をしっていれば、誰だってターンアウトを改善できるという著書なのです。
ターンアウトの理解を深めるために解剖学に触れる
解剖学的にはターンアウトを「大腿骨の外旋」といい、「形ではなく動き」と理解するように書かれています。
また股関節の構造、靱帯、筋肉についても詳しく説明しています。
「形だけのターンアウトや、焦りから難しいテクニックばかりに気を取れていると大事な筋力が育たずへんな癖がついてしまったりします。」ともおっしゃられており、一般の人よりも筋力をつける必要があるそうです。
なんとカエルポーズはダメだった!
また古くからバレエを習っている人には、少し衝撃的なのかもしれないですが、今まではターンアウトのトレーニングの方法として、カエルのポーズや、上向きのカエルポーズ、そして開脚はダメなんだとか。
これらをいつもレッスンが始まる前にやっていた人も多いと思いますが、これらはターンアウトの向上にはあまり役に立たないそうで。
特にカエルポーズは、ケガにつながる要素がたくさんあるポジションで、成長期の子供、股関節痛のケガを過去に経験したしと、股関節の構造上可動域が広い人はもちろんやめてもらいたい、スタジオ内でも禁止して欲しいと佐藤愛さんはおっしゃられています。
レッスン中のターンアウトの実践はどうするの?
まずは各ポジションの正確なターンアウトをチェックしています。
たとえば1番ポジション
理想的な脚のポジションにしようと、足を180度に開くあまりに起こる、足の裏が地面をしっかりと押しておらず、足首がロールイン(ねじれている)するのはケガの原因になる可能性もあるので、特に骨がまだ完全ではない子供へは勧めていません。
今できるものを一歩ずつ上達させること
とにかく、無理やりやってケガを招くターンアウトではなく、今できるポジションで練習をし続け、そうすることにより筋肉やコーディネーション力が向上するので、「昨日の自分よりも1ミリずつ上達したターンアウトを作り続けるんだ」と心に決めてと言っておられます。
後半は、ターンアウトを鍛えるエクササイズ&ストレッチの方法
ベーシックのエクササイズとして、おしりの筋肉「外旋六筋」を鍛える方法を4つ、イラストで紹介しています。
そしてデヴァン、アラセゴン、デリエールの強化エクササイズとして、合計9つ、こちらもイラスト付きで紹介されています。
またストレッチ&リリースの方法として、7つをイラストで紹介しています。
あくまでも個人的な意見として、簡単なエクササイズであれば、イラストで理解できるのですが、少し難しいものになってくると、微妙な動きがイラストでは理解できないように感じました。
動画なども付属しているとさらに良かったのではと思いましたが、本体価格1,800円では動画付きは無理なお願いかもしれませんね。
この本がオススメな人は?
- 日ごろからバレエのレッスンを熱心に受けていて、少しでも美しいバレエのステップを目指している
- 以前にバレエのレッスン中などでケガをされて、バレエに特化した筋力をつけたい
- 子供をバレエ教室に通わされているお母様
など…。
佐藤愛さんは言っておられます。「あなたにターンアウトとは何か?を理解してもらいたい。安全に、効率よくバレエの基礎となるこのテクニックを会得してもらうこと。」
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