グランバットマンは、脚を90度以上大きく上げるバットマンのことです。
グランバットマンの基礎が身につくとダイナミックで動きのある踊りになるので、しっかり習得しましょう。
■目次
バレエのグラン・バッドマンって何?その意味は?
グラン・バッドマンの練習の仕方
まずは基本的なグランバットマンのフォームを紹介します。
- バーレッスンでのグランバットマン
- センターでのグランバットマン
バーレッスンでのグランバットマン
バーレッスンでのグランバットマンは、毎回のレッスンで必ずメニューに入っています。
5番ポジションから始め、前・横・後・横…と繰り返しグランバットマンします。
前に脚を上げるときは、バーを持っていない方の手はアンオーに。
横に脚を上げるときは、アンナバン、後ろは第2アラベスクの手のポジションを使います。
センターでのグランバットマン
センターでもグランバットマンの練習をすることがあります。
クロワゼの右足前から始め、前・横・後・横…と繰り返します。
前にグランバットマンするときは、クロワゼに立ち手のポールドブラを5番(左手・アンオー、右手・アラスゴンド)に。
横に脚を上げるときは、正面を向き、手をアラスゴンドにします。
この時、顔のつけ方がバーレッスンのときとは変わるので注意。
バーレッスンの横のグランバットマンは、顔を正面にしますね。
しかしセンターでは、上げた脚と反対側に少し傾けましょう。
後ろのグランバットマンは、クロワゼ・デリエールで第3アラベスクの形となります。
どちらのグランバットマンでも、足の指をしっかり使って足を上げるように練習します。
ただ大きく足を振り上げればよいのではなく、ドゥミ・ポアントとポアントを通り、足を持ち上げます。
この通り道を無視すると、足裏や指先に力が入らず、太ももの外側で引っ張り上げるようなグランバットマンになります。
つま先の伸びも足りなくなるので、見栄えもあまりよくありません。
脚が太くなったり、痛めてしまったりする原因にもなるので注意しましょう。
また、おしりをしっかり締めて骨盤を回転させる「アンディオール」の足を意識するように練習してみましょう。
グラン・バッドマンがうまくなるコツを紹介
グランバットマンをうまくみせるコツは、きっちりと5番ポジションに戻すことです。
足が思うように高く上がらなくても、毎回きれいな5番を見せるようにするだけでもだいぶ美しく見えます。
さらに動足を戻すとき、少し強調するようにスピードを付けてみてください。
足の動きに強弱をつけることで、キレがあって見応えのあるグランバットマンをすることができます。
足がいくら高く上がっていても、上がるのも下がるのもゆっくりでは、ぼんやりした印象で音にも合いません。
リズムをしっかり意識して、強弱を付けながらやってみると、とても上手にみせることができますよ。
まずタンデュでこの強弱のつけ方と、5番にスムーズに戻す練習をしましょう。
それに慣れてきたら、グランバットマンに応用してみると効果的です。
可動域を広げてもっと高くグラン・バッドマンできるようになりたいけれど、その方法は?
グランバットマンの脚の可動域を広げるには、まず柔軟性が欠かせません。
体が硬ければ、どうしても脚は高く上がりません。
筋肉の使い方で脚は高く上がるようになりますが、その前に足を開く柔軟性がないと意味がないのです。
グランバットマンに限らず、脚を高く上げることはよりバレエらしい動きに繋がります。
見栄えが大きく変化するので、克服していきましょう。
- バーを使ったストレッチ
- スプリッツ
バーを使ったストレッチ
- バーに向かい合って立つ
- 片脚を横に出してバーに乗せる
- つま先と膝をしっかり伸ばす
- そのまま乗せた脚の方に、スライドするように体重を移動する
- 最終目標は180度脚が開く形までスライドさせる
スプリッツ
- 脚を前にタンデュ
- そのまま滑らせるように重心移動
- 前後に脚を開いていく
- 最終目標は180度脚が開き、股が地面につくこと
スプリッツの姿勢から、横向きになり、左右に脚を開くのも効果的です。
この一連のストレッチは、通常のレッスンでもよく行われます。
自宅でもできるので、お風呂上りなど血行が良くなっているときを見計らい積極的にやっていきましょう。
下の記事をよんで、柔軟性をアップしましょう!
グランバットマンで脚が90度以上あがらない原因
脚が90度以上あがらない原因のひとつに、使う筋肉が違うことが挙げられます。
脚を無理に引っ張り上げたり、振り上げたりしても脚は高く上がりません。
しっかり引き上げて持ち上げる意識が大切です。
- 内もも
- 足裏
- 指先
- お腹
- おしり
- 背中
決して、太ももの外側の大きな筋肉で引っ張り上げてはいけません。
おしりの下から内もも、足裏にかけての裏側の筋肉で、脚を押し上げるようなイメージをもってやってみてください。
脚は思っているよりもかなり重いので、振り上げてもそうそう高くは上がりません。
同じ重いものでも、上から引っ張って持ち上げるのと、下から押し上げるのとでは負担が違います。
下から支えて持ち上げる方がずっと楽に感じるでしょう。
また反対に、上半身のお腹や背中の筋肉は上に引っ張り上げるような意識を持ちましょう。
下半身は押し上げるイメージ、上半身は引っ張るイメージと、それぞれ使い分けます。
下半身と上半身の意識は真逆になるので、混乱しないよう注意が必要です。
さらに引っ張ったり振り上げたりするグランバットマンをしていると、上半身に反動がついてしまうのでバランスを崩しやすくなります。
バーレッスンで、バーを握りしめて引っ張りながらグランバットマンしていませんか?
これでは、センターで脚を90度以上上げるのは難しいです。
さらに実際の踊りに応用することも難しくなります。
バーレッスンのときも、バーには軽く手を触れる程度にし、重心の意識を忘れないようにレッスンしていきましょう。
上で説明したことを気をつけても脚が上がらなかった場合は、以下の動画も参考にしてください。
グランバッドマンのよくある質問
軸足と動足のどちらが大切?
軸足も動足もどちらも大事な役割を持っていますが、軸足にはそれほど特別な力をかける必要はありません。
グランバットマンで重要なのは、おしりの下から内もも、足裏にかけての筋肉。
またそれを支えるのはお腹周りや、上体の筋力です。
軸足には力を加えませんし、バランスをとるのも軸足ではありません。
まっすぐ立つ意識や、膝を曲げない意識は持っているべきですが、それ以上の余計な負荷をかけないように注意しましょう。
足を高く上げようとすると軸足の膝が曲がってしまうのですが…
- グランバットマンしたときに、おしりが開いてしまう
- おしりが開くと重心を外側に持っていかれてしまう
- 重心がブレている上に、お腹やおしりの周りの形が崩れて支えきれない
- 軸足に負担がかかり、膝を曲げて耐えようとしてしまう
このような流れになっている可能性が高いです。
足を高く上げようと無理すると、おしりが開いてしまいます。
おしりが開くと、それに伴って動足が内股のようになります。
膝や足の甲が横を向くべきところが、真上もしくはやや内側に向いてしまっている状態です。
これでは、バレエの脚の使い方の基本であるアンディオールも守られません。
骨盤が地面と平行になるようまっすぐ保ち、おしりをきゅっと締めて動かさないようにしましょう。
足を高く上げるには、柔軟性と足の内側の筋肉の強化以外にありません。
最初は思うように足が上がらないのは当然です。
焦ることなく、基本を忠実にレッスンしていくようにしましょう。
柔軟性と筋肉の強化以外には、こんなことが原因かも。
どうしても上半身がぐらついてしまう。対処法は?
上半身のぐらつきとは、上げた脚と反対の方向に、上体が倒れてしまうことではないでしょうか?
足を上げたら、反対側の脇でそれを押し返すような感覚でしっかり支える必要があります。
腹筋や背筋ももちろん使いますが、この脇の下の筋肉には意識がいきにくい人が多いもの。
決して筋力の強さの問題ではなく、注意深く意識するだけでOKです。
また上半身がぐらつくと、上げた脚の方向の手を曲げたり、肩を下げたりして バランスを取ってしまう人も多いです。
情景反射的にやってしまいがちですが、あくまでも上半身の形は崩しません。
肩は地面と平行に、腕も所定のポーズを保つようにしましょう。
さらに引っ張ったり振り上げたりするグランバットマンをしていると、上半身に反動がついてしまうのでバランスを崩しやすくなります。
バーレッスンでのグランバットマンで、バーを握りしめて引っ張りながらグランバットマンしていませんか?
これでは、センターで脚を90度以上上げるのは難しいです。
さらに実際の踊りに応用することも難しくなります。
バーレッスンのときも、バーには軽く手を触れる程度にし、重心の意識を忘れないようにレッスンしていきましょう。
前後の人に脚がぶつかってしまいそうで心配
バーレッスンで前後の人に脚がぶつかりそうなときは、体の向きをスムーズに変えましょう。
つま先に重心をかけてかかとをスライドし、スムーズに方向転換します。
音が始まってポールドブラをした後、グランバットマンする寸前に方向をエファセ(※)に変えます。
右足前のグランバットマンでは、前に足を上げるときは右斜め前方向に向きます。(バーと反対の方向)
後ろ脚のグランバットマンでは、左斜め前を向きます。(バーの方向を向く)
このとき大事なのは、必ずカラダの向きごと変える点です。
決して足の向きだけを変えないように注意しましょう。
左足前だと斜め左に向く