今回は「グランプリエ」についてお話ししていきたいと思います。
そもそも、「グランプリエ」って、何のために毎回練習するのでしょうか?
もうご存知かもしれませんが、「脚の筋力と弾力性を発達させるため」なんです。
と突っ込まれるのは承知です。
ですが、グランプリエを正しく習得することで、バレエにおける全ての基礎的な筋肉を使えるようになると言っても過言ではありません。
これから説明していきますね^^
■目次
グランプリエのカウントの取り方と動き方
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- 両足の踵は限界まで床から離さない
- 限界まで曲げたら、踵を少ーしづつ離していく
- 脚の付け根が膝の高さよりも落ちてしゃがみ込まない
「3と4と」
- 下で動きを止めることなく、滑らかに膝を伸ばしていく
- 踵はできるだけ早く床につける
- 膝を伸ばす時は、上体も一緒に引き上げる
もちろん、お尻はしっかり締めたまま(1秒たりとも緩んではいけません!)、アンディオールを保ちます。
お尻を締めてアンディオールを意識することで、自然と正しい筋肉が使えるようになっていきます。
そして、手の動きをつけるときは、必ず目線で手の先で追うこと、そして上体の四角を崩さないこと。
クラシックバレエでは、上体と脚を切り離して動けるようになると、とても楽に踊れるようになります。
そのためには、バーレッスンで行われる最初のグランプリエで、「下半身は下へ、上体は上へ」の意識をカラダに覚えさせてあげて欲しいです。
それぞれの動きについて説明していきます。
まずゆっくりドゥミ・プリエを通って、グランプリエに移っていきます。
このとき大切なことは「ゆっくり」。
ゆっくりグランプリエをするのって相当キツイです。
その3分間、1秒たりともどこかで止まることなく、スムーズに少しづつ動き続けていたとのこと。
そして彼はとても素晴らしい跳躍をするダンサーだったそう。
話が逸れましたが、「ゆっくり」グランプリエを行うことによって、跳躍にとっても大切な前脛骨筋はもちろん、バレエの全ての動きに必要な太ももの筋肉、お尻の筋肉、そして、上体を引き上げる力が鍛えられます。
もっとも大切なことは、「正しい姿勢で行うこと」
- 「足の指を全部均等に床につけること」
- 「上体をまっすぐに保って引き上げること」
また、小指側に傾いているときはお尻が締まってないか、あるいはアンディオールができていないことが多いです。
少しやりにくいな、と感じる方は、足先の開きを少し緩めて、あなたが今できる最大限のアンディオールで行うとスムーズにいくので、ぜひ試してみてくださいね。
そうそう、この足先の開きを少し緩めるというのは、わたしたち大人バレリーナにとっては意外と重要なことだったりします。
頑張ってアンディオールしなきゃ!と一生懸命になってしまいがちですよね。
ひねりグセにご注意を
でも、無理に足首から先だけでアンディオールしようとすることによって、足首に負担がかかり、「ひねりグセ」がついてしまいます。
膝と足首がひねれた位置になったままレッスンを続けることによって、膝に負担がかかるだけでなく(X脚の方は特に注意!!です)、カラダ全体のバランスが崩れ、正しい筋肉が育たないだけでなく、怪我にも繋がってしまします。
わたし自身も以前親指重心でプリエを行なっていたため、膝を痛め、しばらくレッスンに行けず悔しい思いをしたことがあります。
プリエで膝が痛いときは…
あなたにはわたしのようになって欲しくないので、まず、「全ての足の指に均等に重心をかけ」、「膝の方向とつま先の方向を揃える」ようにしてみてください。
「プリエで膝が痛い」という方は、これを意識すると大抵の方は良くなります。
そして、「上体をまっすぐ保って引き上げる」ことによって、カラダが引き上がって踊りやすくなるだけではなく、脚への負担を最小限に減らすことができます。
上体は、「常に上から引っ張られているように」意識してください。
ちなみに、わたしの先生は「力のある男性が君の両腕を抱えて持ち上げようとしている。その腕にぶら下がりながら足を踏ん張って、地面から離れないようにしてごらん」という説明をされます。
つまり、「脚は下へ、上体は上へ」動き続けるのです。
実際は、上体ももちろん下に下がりますが、あくまで「意識として」です。
わたしはいつも、
とカラダに言い聞かせながらグランプリエをするようにしています。
踵はできるだけ長く床に付いているようにするのが理想的
踵を上げたくないけど、足首がもうこれ以上曲がらないから仕方なく踵が「上がる」んです。
意識して上げるのではありません。
この意識って、とても大切で、ここで深いプリエを習得すると、ジャンプがとっても楽になるし、怪我もしにくいです。
一方、グランプリエから膝を伸ばしてポジションに戻っていくときは、少しだけ早めに行います。
意識は、地面から足裏へ、そして上へ上へと力が伝わっていくような感じです。
ですが、決して急激に膝を伸ばすという意味ではなくて、グランプリエに向かうときに通ってきたルートをしっかり通って膝を伸ばしていきます。
もちろんお尻も閉めたままで、ポジションに向かうにつれてなお引き締めるとより良いです。
ではなぜ行きはゆっくりで、帰りは少し速めるのでしょうか?
答えは簡単です。
あなたも無意識に行なっていると思います。
例えば、プリエからルルべをしてまたプリエに戻る、というセンターレッスンでの動きを想像してみてください。
ルルべに立ち上がるときは素早く、プリエに降りるときは丁寧にゆっくりと行なっていませんか?
ジャンプのときも、跳び上がるときは勢いよく、降りるときは「ドスンと降りちゃダメ!」って先生に言われますよね。
このグランプリエのエクササイズも結局は同じことなんです。
だから、グランプリエを正しく行うことは「全ての動きの基礎」に繋がり、そしてそれぞれの動きを正確に行うためのエクササイズになるのです。
もし、この記事を読んでいる人の中で、「何かが違うんだろうけど、どうしていいのか分からない」と思っているならば、ぜひ「プリエ」と「グランプリエ」を見直してみてください。
ピルエットの練習を何回もするより、うんと効率がいいです。
そして、正しいレッスンを続けることで、正しい筋肉が必ず育ちます。
一緒に上達していきましょう(*^^*)