プロのバレエダンサーのスタイルを見ると分かるように、バレエでは細く華奢な体のラインが求められます。
それでも実は、一見細いダンサーたちは強靭な筋力を持っています。
バレエで使う正しい筋肉の位置を知り、効果的にトレーニングしていきましょう。
■目次
バレエを踊るうえで必要な筋肉はどこ?
バレエで使う筋肉は、ほとんどが表に見えにくい筋肉です。
インナーマッスルなどとも呼ばれ、美しい体のラインをつくるために欠かせない筋肉になります。
バレエを応用したエクササイズなども広く知られるようになりました。
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- 腹筋
- 背筋
- 足裏
- 足の指
- 内もも
どれをとっても、表からは見えにくい筋肉です。
これらは赤筋(遅筋)といって、スタミナを必要とし、長時間同じ姿勢を保つことに効果を発揮する筋肉です。
脂肪をエネルギー源とするため、この赤筋をしっかり使って鍛えることで、太りにくい体作りにも役立ちます。
これが、インナーマッスルを鍛えるべきとされる理由でもあります。
理想的な筋肉のつき方は?
バレエでは「やわらかさ」と「しなやかさ」のある筋肉をつけることが理想的です。
強靭な筋力を持っているのに、バレエダンサーは決してムキムキな人はいません。
筋肉の付き方は個人差がありますが、みな女性らしい柔らかいボディラインを持っています。
それは、体の内側に意識を持ってトレーニングしているからです。
足のポジションひとつとっても、意識は内ももや膝の裏、足の裏にあります。
常におしりを小さく締め、足を開くような意識で踊るので、表面から見た印象は女性らしいラインのままなのです。
太ももの外側やふくらはぎがたくましく発達してしまうと、バレエらしさがなくなってしまいます。
これは、バレエで使う赤筋の反対の働きをする「白筋」が発達してしまった状態です。
[voice icon=”http://ballet-ambre.com/wp-content/uploads/2017/10/mikiko.jpg” name=”ミキコ” type=”r icon_red”]短距離選手やスピードスケート選手などが使う筋肉で、瞬発力を発揮するもの。バレエでは決して太ももやふくらはぎの筋肉はつけてはいけません。[/voice]
足の使い方が間違っている可能性が高いので、基礎をしっかりおさらいする必要があります。
筋肉の使い方がよく分からない。どうすれば理解できるようになる?
バレエで使う筋肉の感覚がつかめない場合、以下の3点だけ考えてみましょう。
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- アンディオールにすることに集中する
- おしりをしっかり中心に締める
- 腹筋で体を支えてキープする
そうすると、バレエ特有の「開く足」ができるようになります。
バレエでは、かかとをしっかり内側から見せ、膝を横に向けるのが基本です。
決して膝が客席方向に向くことはありません。
これが内ももの筋肉を使う動きになります。
またおしりが二つに分離して開いてしまうと、足も間違った筋肉で支えることになります。
内側の筋肉を意識する、という感覚をつかむには時間がかかるかもしれません。
特に大人からバレエを始めたなら、普段意識したことのない筋肉に力を入れるよう言われても、理解ができないことも多いです。
最初はあれこれ考えすぎず、この3点に注意してレッスンするとよいでしょう。
何をすれば効果的に筋肉を鍛えられるの?
[aside type=”boader”]- 腹筋
- 背筋
- 足裏・指先
- 内腿
腹筋
まず、仰向けの姿勢で両脚を上げ、ふくらはぎの位置でクロスさせます。
両脚の上げる角度は、真上90度より少し下げた位置です。
そして、腹筋を使ってお腹を見るように上半身を起こしましょう。
通常の腹筋トレーニングとよく似ています。
レッスンでは、音楽に合わせて行うこともあり、音に合わせて腹筋をコントロールする訓練にもなります。
背筋
背筋は、うつぶせに寝た状態から、上体を起こします。
手を床から離し、アラスゴンドやアンオーのポジションで数秒間キープします。
手の位置によって背筋の使い方が異なるので、自分のレベルに合った位置でやってみましょう。
アラスゴンドとアンオーでは、アンオーの方がやや難易度が高いです。
アラスゴンドでもつらいと感じる人は、手を体の後ろで組んだ状態で背筋キープをしてみましょう。
足裏・指先
座って足を前に伸ばします。
[aside type=”boader”]
- フレックス(足首を曲げつま先を上に向ける)
- ドゥミ(足首を伸ばし指先だけ曲げる)
- ポイント(つま先を伸ばす)
しっかり足首や指先を曲げ伸ばし、力を入れましょう。 [voice icon=”http://ballet-ambre.com/wp-content/uploads/2017/10/mikiko.jpg” name=”ミキコ” type=”r icon_red”]足裏の筋肉を鍛える更に詳しい方法は、下の記事をよんでみてくださいね^^[/voice]
内腿
椅子に両脚をそろえて座り、膝の間にボールを挟みます。
ボールを両膝で内側に押すように、何度も負荷をかけます。
負荷をかけたとき、太ももの筋肉を触って確かめてみてください。
外側の筋肉は柔らかく、内側の筋肉が硬く活発化していることが分かります。
これはバレエの筋力トレーニングだけではなく、美脚エクササイズとしても効果を発揮します。
こんなに頑張っているのに…。どうして筋肉がつかないの?
上で紹介した筋トレ法は、効果的に筋肉をつけていくために有効です。
ですが、女性は「女性ホルモン」の影響で、男性と比べるとずっと筋肉がつきにくく、落ちやすい傾向があります。
体質ですから、仕方がありませんね。
ですが、バレエをもっと上手に美しく踊るためには、強靭な筋力が必要。
筋肉をつけることを諦めてはいけません。
筋トレを欠かさないことはもちろん、筋肉のもとである「タンパク質」が豊富な食事をしっかり摂ることも忘れないようにしましょう。
ただ、いくら筋トレをしていても、筋肉の材料である「タンパク質」が不足していは、筋肉は増えません。
普段の食事は、低脂肪・高タンパク質の食材を選ぶのが基本ですが、毎日がそういうものばかりでは飽きてしまいますね。
たまには脂肪たっぷりのフライドチキンや、クリームがふんだんにのった甘いショートケーキが食べたくなってしまうこともあるでしょう。
我慢をかさねすぎて、毎日の食事に気を遣いすぎたり、神経質になり過ぎると心が折れてしまったり、ヤケ食いに走ってしまうことも。
バレエのためにタンパク質をしっかり摂り、普段の食事を正していくことは、もちろん大切です。
ですが、肉や魚、卵、豆などでタンパク質を摂ろうとすると一緒に脂肪分や炭水化物も摂取してしまうので、カロリーオーバーになる恐れがあります。
プロテインで筋肉強化に十分なタンパク質をダイレクトに摂りましょう。
筋肉をつけるのに十分なタンパク質を低カロリーで摂るために、プロテインを飲むことをオススメします。
プロテインとは、原料から脂肪や炭水化物をそぎ落とした粉末で、見た目は粉ミルクに似ています。
タンパク質をダイレクトにカラダへ届けられるのが特徴です。
定番のプロテイン以外でオススメのもの
筋肉つけるなら「プロテイン」が超定番ですが、最近流行しているのはHMBサプリメントです。
日本では2010年に発売されて人気がじわじわ上がっているサプリですが、アメリカでは既にメジャーなもの。
タンパク質との違いは何かというとタンパク質が「筋肉の材料」になる栄養素なら、こちらは「筋力アップをサポート」してくれる成分です。
- 筋肉の合成を促す
- 筋肉ダウンを防ぐ
- トレーニングで傷ついた筋線維の修復をサポート
優先順位としては、プロテイン>HMBです。
まず、筋肉の材料がなければ、筋肉をつくることができませんからね。
成人女性が1日に必要なタンパク質の量は40~50gですが、筋肉を増やしたい場合はこれより多めに摂りましょう。
目安としては、あなたの体重の1,6~1,7倍です。
たとえば、体重50kgの人なら80~85gになります。
これだけの量を1日の食事だけで摂るのはなかなか難しいので、ソイプロテイン「私の完全美容食」を飲むのがオススメ。
もし、食事だけで十分にタンパク質が摂れているなら、HMBサプリメントだけでもよいでしょう。
Q&A
バレエのレッスンを受けていたら筋肉痛になった。レッスンは休んだ方がいいの?対処法は?
筋肉痛になったときは、固くなった筋肉をしっかりマッサージするようにしましょう。
また、冷えは筋肉痛の大敵です。
血行が悪くなることで、筋肉の回復も遅くなってしまいます。
温かいお風呂にしっかり浸かり、冷えないような服装をするようにしましょう。
軽度の筋肉痛なら、レッスンをしても問題ありません。
筋肉痛の場合、軽い運動負荷をかけることで筋肉の血行を促進し、回復を早めます。
しかし、あくまでも「軽い」運動負荷ですので、全力でレッスンしないほうがよいでしょう。
ふくらはぎが筋肉痛。筋肉の使い方は合ってる?
ふくらはぎは基本的にバレエでは使わない筋肉です。
筋肉痛がふくらはぎに出るということは、ふくらはぎを使ってルルベしている可能性があります。
ルルベしたときに、体の重さをふくらはぎで支えてしまう人は多いです。
それはルルベの高さが低いことに原因があります。
本来は足裏と内腿を使って高くルルベ・アップし、さらに腹筋と背筋で上体を引き上げてキープするのが正しい立ち方です。
一連のレッスンの中で、ふくらはぎの筋肉に全く力を入れないわけではありません。
ただ筋肉痛が起こるほどの負荷をかけているとしたら、ルルベが低くふくらはぎに余計な負荷がかかっている可能性があります。
[aside type=”normal”] ただし普段から運動量の少ない人、レッスン頻度の少ない人など、個人差があります。[/aside]太ももが筋肉痛。筋肉の使い方は合ってる?
太ももの内側が筋肉痛であれば、正しく筋肉を使えている証拠です。
筋肉痛はつらいですが、嬉しい反応だと考え引き続きレッスンを続けましょう。
しかし反対に、外側の筋肉が痛むようなら、間違った使い方をしていると言えます。
初心者の方が最初から正しく内側の筋肉を使えることは、まずありません。
日常生活では使わない筋肉なので、ある程度の経験を積むまでは外側の筋肉が痛くなっても致し方ないでしょう。
ただ、外側の筋肉を使い続ける癖がついてしまうのは危険です。
脚が太くなったり、脚を痛めたりする可能性があるので、正しい筋肉の使い方を今一度確認する必要があります。
脚がすごく太くなってしまった。どうやってほぐせばいい?
外側の太ももや、ふくらはぎを使いすぎてしまうと、筋肉が発達して足が太くなります。
ついてしまった筋肉は、しっかりマッサージして柔らかくすることで、過剰に発達するのを防ぐことができます。
レッスンをして筋肉を使った日はオイルやジェルを使って、均等に圧がかかるようにマッサージします。
下から上にリンパが流れているので、それに沿うようにマッサージしてください。
ついてほしくない場所の筋肉は毎回のレッスン後、入念にマッサージすることで、太くたくましくなるのを防ぐことができます。
プロのバレエダンサーも、疲れた筋肉はその日のうちにしっかりオイルマッサージでクールダウンさせるのです。
お風呂などでやると、より血行が促進されるので効果が高まるでしょう。
また、レッスン前にもマッサージをして筋肉を柔らかくしておくとよいです。
筋肉は軽く運動させることで血行がよくなり、柔らかくなります。
わたしは「ルナ・パルテ」というホットジェルで毎日マッサージしていますよ。
詳しいマッサージ方法については、以下の記事をよんでくださいね^^
【まとめ】バレエは強靭な筋力で上達する!
バレエの上達に、インナーマッスルの発達は欠かせません。
基本の姿勢、力の入れる場所を日常生活でも意識して動いてみるとよいでしょう。
特に、背中の背筋やお腹周りの腹筋は、日常でも意識すると姿勢がよくなりスタイルアップにもつながりますよ。