今日は、アンシェヌマンの苦手意識をなくしましょう。
バレエのセンターレッスンでは、即興でアンシェヌマンを覚えて踊らなければなりませんよね。
最初は覚えることに精一杯で、パそのものの練習にならないと感じている人も多いのでは?
■目次
アンシェヌマンの用語の意味は?
アンシェヌマンが覚えられない!センターレッスンが怖いです。
センターレッスンの目的は、アンシェヌマンを覚えることではありません。
バーレッスンの基礎的な動きを実践する場であり、レッスンの楽しさを感じられる場でもあります。
しかし、そこでアンシェヌマンを覚えることにばかりとらわれてしまうのはもったいないです。
センターレッスンのアンシェヌマンは、誰もがつまずきを感じるもの。
それなりに経験年数を積んでいても、間違えることはあります。
難しいパや、新しく習うパが入ってくると、余計に混乱してしまうのではないでしょうか。
とにかく、怖がって緊張してしまうと体は全く動きません。
最初は、完璧にこなそうと思わなくてよいです。
例えば、
- 最後のポーズだけは、音に遅れないように決めよう
- グランパドシャはこのアンシェヌマンの目玉だから、そこだけでもしっかり跳ぼう
パニックになってすべてのパが中途半端になってしまったり、あきらめて踊るのをやめたりするのは絶対に禁物です。
また、少しレベルが高いと感じたら、率直に申し出ることも必要です。
少しずつレベルを上げたアンシェヌマンをこなしていかなければ、上達はしません。
しかし、上達の速度には個人差があるので、複数人数で一斉に行うセンターレッスンでは、ついていけなくなってしまうことも多々あります。
そんなときは、
無理して難しいアンシェヌマンに挑戦しても、ステップを覚えるので精いっぱいです。
1つひとつの体の動きに注意しながらレッスンすることができなくなってしまいますね。
簡単なアンシェヌマンでも、きちんと覚えて、音の中で踊りきるという経験を積むことがとても重要です。
そして、難しいアンシェヌマンに挑戦するときは、まず足だけでパをしっかり踊れるようにしましょう。
その後から、手の位置や顔の向きなどを付けていくとよいと思います。
最初からすべての形を完璧に決めようとしても、やはり無理があります。
とにかく、音にしっかり合わせてパのステップを踏めるように頑張りましょう。
余裕が出てきてから、手の位置や顔の向きなどを正しくつけていきます。
バレエのアンシェヌマンの覚え方
この4つに気をつけるんだね。
パターンを覚える
アンシェヌマンにはパターンがあります。
アレグロで例えると
「シャンジュマン・アントルシャ・グリッサード・アッサンブレ」
など、一定の組み合わせがあります。
これは先生によっても、好みやパターンがあるものです。
毎回のレッスンを振り返ってみると、大体いつも出てくる組み合わせというのがありますよね。
それをおさらいしておくと、次のレッスンからも役に立つことがきっとありますよ。
先生の見本をしっかり見る
先生が最初に、アンシェヌマンのお手本を実演してくれるときは、集中してその動きを見ておきましょう。
とても基本的なことですが、まずはしっかり目で見ること。
鏡に映った様子を見るのではなく、先生の後ろ姿をしっかりと見ます。
鏡越しだと方向は反転しているし、鏡の中にうつりこんだ他の生徒さんの動きも目に入りますね。
すると思っている以上に集中を妨げてしまい、アンシェヌマンが頭に入ってきません。
集中して、先生の動きを注意深く目視しましょう。
音をしっかり聞く
音をしっかり聞いて、どの音からどの音でひとつのパを踊るのか考えてみることも大切です。
アンシェヌマンの順番のことばかり考えていると、音に合わせて踊ることを忘れがちになります。
それぞれのパをどのくらいの速度でこなせば、次の動きにスムーズに入れるかを考えてみましょう。
レッスン中の先生のカウントをしっかり聞くことも重要です。
繰り返しマーキングする
マーキングとは、アンシェヌマンを覚えるときに、軽く動きながら確かめることを言います。
センターレッスンの順序は、経験の長い人から順番に踊ることが一般的です。
あなたの番が来るまでの時間は、マーキングの時間に当てて、ぎりぎりまでアンシェヌマンの確認に当てましょう。
もし、覚えに自信がないときは、順番を後の方に変わってもらうなどしてもよいでしょう。
これらのことを、毎回のレッスンで意識していけば、着実にアンシェヌマンを即興で覚える力がついてきます。
是非、実践してみましょう!
入門・基礎クラスでよくレッスンするアンシェヌマンの紹介と動き方
初心者の方でも無理なく覚えられ、実践できるアンシェヌマンをご紹介します。
シャンジュマン・シャンジュマン・グリッサード・アッサンブレ
こちらは、とても簡単なアンシェヌマンです。
まず、シャンジュマンでは高くジャンプし、足を入れ替えます。
右脚前の5番ポジションで始めたら、着地は左足前の5番ポジションになります。
ジャンプの一番高いところでススー(シュ・スー ※)の形になるよう、膝・つま先をしっかりと伸ばします。
着地のプリエをしっかりと踏み、次のジャンプにしっかり備えましょう。
グリッサードは、滑るという意味のパです。
出した足の方に滑るように体重移動させます。
このとき、重心を下の方におくことが大切です。
テンポの速いアレグロのアンシェヌマンでは、グリッサードも他のパにつられて上に跳ねてしまう人が多いので注意しましょう。
あくまでもグリッサードは助走のような働きをすることをお忘れなく。
アッサンブレは、集めるという意味のパです。
出した足を軸足に素早く引き寄せ、足を1本に見せるように飛びます。
空中で、ススーの形がしっかり見えるようにやってみましょう。
このようなアレグロの基礎的なアンシェヌマンでは、2回もしくは4回ほど同じアンシェヌマンを繰り返します。
つま先をピタッと近づけて、ポアントかドゥミ・ポアントで立ちます。
トンベ・パドブレ・グリッサード・グランパドシャ
グランジャンプの中でも、よく初級編として登場するアンシェヌマンのパターンです。
トンベで大きく前に一歩踏み出します。
後ろ脚は少し地面から上げる程度でよいので、しっかり膝とつま先を伸ばします。
重心を乗せた軸足は、かかとをしっかり前に出すようなイメージでプリエの形に。
パドブレは、体重移動をしっかり行いリズミカルに行います。
トンベで体重を前方に移動させ、加速をします。
その加速をパドブレで受け止めるイメージをしてみましょう。
軽やかなステップで、歩幅調節するような感じです。
パドブレは細かくステップを踏むのが、きれいに見えるポイントです。
ボテッボテッと動くと、滑らかなアンシェヌマンになりません。
グリッサードは助走になります。
重心を下の方に保ちつつ、力をためるパです。
グリッサードでしっかり足を踏み切って、グランパドシャに持っていきます。
初心者の方に多いのは、グリッサードの途中で両方の膝とつま先が進行方向に向いてしまうというクセです。
グランパドシャに意気込むあまり、両脚が走るときと同じように進行方向を向いてしまうのです。
これでは古典バレエには絶対にない、「内股」っぽくなってしまうので気を付けましょう。
グリッサードは両脚とも、しっかり膝を外側に開いたまま滑らせることが大切です。
グランパドシャについてですが、もちろんグランジャンプなので足を開くことや大きく飛ぶことは大事です。
しかし、最初のうちは「美しく魅せる」ことに重点をおいてもよいでしょう。
足の開きがイマイチでも、しっかり膝とつま先を伸ばすことはマストです。
跳んだときに、上体をしっかり引き上げて胸を開きます。
いくら高く飛べても、前かがみになったジャンプや、肩が上がって首が埋まったようなジャンプは美しくありません。
センターレッスンのアンシェヌマンを楽しむためにも、グランパドゥシャは美しさを魅せることを意識して優雅に飛んでみましょう。
シソンヌフェルメ・シソンヌフェルメ・シソンヌウーヴェルト・パドブレ
シソンヌフェルメは、両脚同時に跳び、上げた脚を素早く引き寄せて5番ポジションに戻すシソンヌです。
それを2回繰り返し、3回目のシソンヌではウーヴェルトで上げた脚をキープします。
シソンヌフェルメは第1アラベスクの形、ウーヴェルトでは手をアロンジェ(両手を外側にふんわりと開くような形)にするととても美しいです。
ウーヴェルトの足は、着地の衝撃でガクンと下に下がってしまいやすいので注意します。
腹筋でしっかりと引き締め、高さにこだわらず美しい形でキープするようにしてみましょう。
そしてキープしていた後ろ足をススーに持ってきて、パドブレします。
このように、とても簡単なアンシェヌマンだけれど、非常にバレエらしさがあって美しいものをあなた自身で考案してみましょう。
そして、どんどん実践してみるのもおすすめです。
「踊れる」という自信や「楽しい」と感じることが、何よりの上達への近道であることも確かです。
アンシェヌマンの不安は、レッスンを積むことで改善される!
いかがでしたか?
わたしの場合、バーレッスンは単調であまり好きではなく、センターレッスンでようやく「楽しい」と感じられます。
それは、やはりアンシェヌマンが実践的な踊りだからです。
もちろん経験の長いわたしでも、難しいアンシェヌマンではとても緊張します。
失敗することも多々あります。
でも、イメージ通り踊れたときの爽快な気分はとてもいいものです。
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センターレッスン、気が重い(T_T)