“汗”と聞くと夏のイメージがあるかもしれませんね。
ですが、実は秋冬だって要注意です!
混雑した電車の中、デパートなどの商業施設だってガンガンにエアコンで温かくなってはいませんか?
思わず暑くてコートを脱いだ…という経験がある方も多いはず。
そんなとき、気が抜けないのが“汗と臭い”です。
汗に関しては、夏ほど薄着をしていることもないでしょうし、グレーのニットに汗がにじんだ…というのは可能性としては少ないかもしれません。
一方の臭い!
こちらはどうでしょうか。
厚着していることによって、より一層汗をかいている部分に蒸れが生じています。
なので、意外とあなた自身では気づかなくても、周りが汗臭さを感じている可能性は十二分にあり得る話なんですよ。
■目次
汗に関するアレコレ…どこまで知っている?
まず最初に基礎知識として押さえておきたいのは、汗に関する基本情報です。
意外とそのメカニズムまで把握されている方って少なかったりするんですよね。
ですが、原因を知れば対策だって取りやすいもの。
ぜひこの機会に、チェックしていきましょう。
そもそも…汗ってどうしてくさいの?
汗のイメージは、やっぱり一言でいえば「くさい」ですよね。
ですが、これは実はちょっとした誤解を含んでいます。
以下をご覧ください。
- 汗はお肌の中にあるエクリン腺と呼ばれる部分から分泌される。
- エクリン腺から出てくる汗には、実はニオイの原因となる物質はほぼふくまれていない。
- 元々は臭いは無いが、出てきた汗がお肌の表面にある垢や油分と混ざってしまう。
- ③が細菌によって分解される。
- このことによって臭いが発生して、くさい汗となってしまう。
驚いたことに、汗ってそもそもは無臭な場合がほとんどなんだといいます。
それを厄介なにおいに変えてしまうのは、細菌の仕業。
細菌が作り出す臭いの原因物質が、汗=くさいを作り出してしまっているんですね。
ちなみに、上記では汗が出てくる場所として“エクリン腺”を取り上げましたが、もう一つ、“アポクリン腺”という部分からも汗は発生します。
ここから発生する汗も同様で、細菌の仕業によって臭いが発生してしまいます。
アポクリン腺から発生する場合、いわゆるワキガ臭になるんですよ。
汗臭さとワキガの違いってなあに?
では、汗臭さとワキガの違いはいったい何なのでしょうか?
わたし自身、ワキガというワードはよく耳にするものの、何が違うのか?汗臭いものがひどくなったらワキガというのかな?くらいの認識しかありませんでした。
ですが実は単なる汗臭さとワキガには、しっかりとした違いがあるんですね。
一番の違いは、先ほどもお伝えした通り出てくる個所。
通常の汗は“エクリン腺”から出てきますが、ワキガとなってしまう汗は“アポクリン腺”から生じます。
- 通常の汗を出すエクリン腺が全身の至る部分にあるのに対し、アポクリン腺はほとんどが脇の下に存在している。
- アポクリン腺の数には個人差があり、元々少なく生まれてきた人もいれば、多く生まれ持つ人もいる。
- 体温調節の役割も担っているが、体臭出す役割も担ってしまっている。
臭いの原因となってしまう経路のもとが、脇に集中してしまっているんですね。
それゆえに、“ワキガ”と呼ばれているんですよ。
もちろん遺伝だけではない…!
上記の説明をご覧になった方の大半は、“じゃあワキガは遺伝によるものなのか”と思ったかもしれませんね。
もちろんそれも正解です。
遺伝によるワキガについてもう少し掘り下げていくと、ワキガは優性遺伝だといわれています。
遺伝には優先遺伝と劣性遺伝があるのですが…
[voice icon=”http://ballet-ambre.com/wp-content/uploads/2017/10/mikiko.jpg” name=”ミキコ” type=”r icon_red”]
- 優性遺伝…受け継がれやすい遺伝のこと。
- 劣性遺伝…受け継がれにくい遺伝のこと。
つまりは、ワキガは高確率で親から子へ遺伝するものなんです。
両親のどちらか一方がワキガの場合、その遺伝の確率はまさに半分だといえるんですよ。
ですが、実は最近では遺伝によるものだけではなく、そのライフスタイルや体質によってもワキガになりやすいといわれています。
アポクリン線は誰でも持ち合わせているものだからこそ、数は少なくともワキガになる可能性は秘めているんですね。
あなたは大丈夫?こんな場合はワキガを疑ってみて!
早速ですが、あなた自身が気づかないうちにワキガ臭を発していないか?チェックしてみましょう。
- 汗が黄色いシミになることがある
- 耳垢がべたべたしている
- 毛が濃い方である
- ストレスを感じやすい
- 油っぽい食事が多い
- お酒やタバコを好む
汗が黄色いシミになることがある
いわゆる汗ジミと呼ばれるものは、汗をかけばみんなお洋服につきますよね。
ほとんどの場合、このシミはお洗濯で解決します。
でもお洗濯をしても落ちず、黄色くなってしまっている方は要注意です。
というのも、実はアポクリン汗腺から出てくる汗の成分の中にお洋服を黄ばませてしまう成分が入っているからなんですね。
耳垢がべたべたしている
耳垢がカサカサしているのではなく、べたっとしている方は要注意。
アポクリン汗腺が活発に働いている証だといわれているんですよ。
毛が濃いほうである
毛が濃い人ほど、実はアポクリン腺も多いといわれています。
アポクリン腺の多さだけではなく、カラダの毛が多いことで、毛根部分に汗の臭いの原因菌が繁殖しやすいとも言われているんですね。
ちなみに、永久脱毛をすればワキガも解消!と思うかもしれませんがそうではありませんので残念…。
もちろん毛根の臭い原因菌が繁殖することは抑えられるかもしれません。
ですが、汗腺自体を取り除いているわけではありませんので、根本的な解決には至らないんですよ。
ストレスを感じやすい
緊張した場面になると、誰でも汗ばんだりするもの。
こうした汗は、運動してかいたときの汗とは異なり、“精神性発汗”と呼ばれています。
運動してかいたときの汗は99%がお水といわれていますが、精神性発汗はタンパク質やミネラルを含んだ脂質分が大半を占めます。
その影響もあって、臭いが強くなってしまうんですよ。
油っぽい食事が多い
油っぽい食事を多くとってしまうと、皮下脂肪が多くなりやすい傾向があります。
もちろん運動などを定期的に行うことで、皮下脂肪の蓄積を防いでいるのであれば別の話。
でも、皮下脂肪によってアポクリン汗腺は刺激を受けるとされています。
また、皮下脂肪に限った話ではなく、脂っぽい食事が多いとその分過剰な皮脂分泌を促します。
過剰な皮脂分泌は臭いの原因。
栄養バランスも考えてあげなくてはなりませんね。
お酒やタバコなどの嗜好品を好む
実はお酒やたばこは、汗腺を刺激するといわれています。
だからといって「すべてを断つ!」とするのは、それもまた難しい話で、ストレスをため込んでしまうのもまた良くありませんよね。
“たしなむ程度”に留めておくのが、ベストですね。
臭い対策は内と外…Wのケアが必須!
さて、とは言え汗のにおいをあきらめてしまうのはもったいない話!
というわけで、臭い対策を内側と外側から両方のケアと併せてご紹介していきたいと思います。
汗のにおいを内からシャットアウトする方法
[voice icon=”http://ballet-ambre.com/wp-content/uploads/2017/10/mikiko.jpg” name=”ミキコ” type=”r icon_red”]- 有酸素運動の習慣化
- 食生活の改善
有酸素運動を習慣化させる
実は汗臭さを改善する手っ取り早い方法として、汗をかける体質になることが大前提にあるといわれています。
というのも、汗腺が活発であればあるほどに、ミネラル分を再吸収するチカラも強くなるといわれているんですね。
最近は冷暖房がガンガンに効いた室内で過ごすことも多く、なかなか汗をかけない体質の人が増えてきています。
体温調節機能自体が弱まってしまっているんですね。
だからこそ、汗腺を鍛えることがキーポイントなんです。
そこでオススメされているのが、ウォーキングやジョギングです。
汗腺の機能をリカバリーさせてくれるといわれていますよ。
食生活の改善をする
前述のワキガチェックの項でもお話しましたが、油っぽい食事を好んでいる場合は食生活を改善してあげましょう。
皮下脂肪や過剰な皮脂分泌はもちろんですが、実は油っぽい食事ばかりを好んでいるとタンパク質がカラダの中で分解されるときにアンモニアが発生してしまいます。
このアンモニアは、肝臓で通常処理されます。
でも、処理できない場合は汗となってそのにおいを発してしまうんですね。
ちなみに食生活の改善という意味では…便秘体質の方も注意するようにしてください。
便秘が続くと、汗はもちろん体臭自体が臭くなってしまいます。
食物繊維も積極的に取り入れるようにしましょうね。
汗のにおいを外からシャットアウトする方法
[voice icon=”http://ballet-ambre.com/wp-content/uploads/2017/09/kohaku.jpg” name=”いろは” type=”l icon_yellow”]- 制汗剤
- 吸水性の高いインナーに変える
- カラダを優しく洗う
制汗剤を使用する
手軽に出先でも臭い対策ができるアイテムの代名詞ですね。
- 汗自体の分泌を抑えてくれるもの
- 雑菌の繁殖を抑えて臭い対策が出来るもの
- シートタイプ…そこまで多いわけではない汗や臭い対策に。
- スプレータイプ…汗の量や臭いの気になるレベルが中程度。
- スティックや軟膏タイプ…殺菌作用が強いものが多いため、臭いや量もどちらも気になる方に。

インナーを機能性の高いものに変えてみる
汗のにおいの原因の一つは、冒頭からお話している通り、臭いの原因菌である雑菌の繁殖です。
だからこそ、インナー選びは慎重にしてあげたいもの。
吸水性の高い汗をしっかり吸い取ってくれるようなインナーは、夏場に限らず冬場だってオススメです。
冬のじめっとした汗も、しっかり吸収してくれます。
ですので、臭いの原因菌が繁殖する心配もご無用ですよ。
カラダを洗うときは優しく丁寧を心がける
汗のにおいが気になるときって、ついついお肌をゴシゴシ洗っちゃいませんか?
ですが、実はこれでは汗のにおいを助長させかねないんです。
というのも、わたしたちのお肌の表面には“常在菌”といって、お肌を守ってくれる菌が存在しています。
ごしごしと洗ってしまうと、この菌も汚れと一緒に洗い流されてしまうんですね。
守ってくれる菌がなくなってしまうと…臭いの原因菌の繁殖を抑えるパワーもダウンしてしまいます。
なので臭いが気になるときにこそ、カラダを洗うときは丁寧に、を心がけましょう。
汚れを落とすには、泡を転がす程度で十分です。
最近は泡で出てくるボディソープも多く発売されていますので、ごしごしとボディタオルでこすりがちな人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
ワキガや汗の臭いだと思ったら…思わぬ落とし穴の場合も…!
最後に、あらゆる対策を講じてもなかなか臭いが改善しない…そう感じている人は、以下のチェックも確認してみてください。
もしかすると、思わぬ病気が潜んでいる可能性も否定できません。
気になる場合は、必ず早めにお医者様を受診するようにしてくださいね。
糖尿病によるにおい
カラダの中にケトン体と呼ばれる成分が増えることで、汗がすっぱいにおいになってしまっている。
腎機能障害によるにおい
腎臓の機能がダウンしていると、尿と一緒に出ていくはずのにおい成分が体内にたまってしまいます。おしっこくささを感じることに…!
肝機能障害によるにおい
肝臓の機能がダウンすると、本来分解される臭いの原因が、肝臓で分解されなくなってしまいます。カラダからカビ臭さを感じる場合は要注意!
胃腸機能障害によるにおい
胃や腸の機能がダウンすると、消化不良を起こしやすくなります。
それはやがてどんどん胃腸の中にたまっていきますので、汗が卵の腐ったようなにおいになってしまうんですよ。