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「バレリーナのお手本で学ぶ バレエ・レッスン」の内容と感想

小野絢子




2019年に新書館から刊行されている実践テクニック書。

■目次

バレエのレッスンは大まかにはふたつで構成

  1. バーを使って行う「バー・レッスン」
  2. フロアで行う「センター・レッスン」
その中でも特に基礎的な動きや体の使い方を身に付けるためのバー・レッスンが、この本では分かりやすく紹介してあります。

バレエを習い始めた人からプロのダンサーまでが毎回行っていて、踊るために必要な基礎はすべてここに詰まっているといっても過言ではありません。

ステージの上で披露される華やかなパフォーマンスが「応用」だとするならば、バーで身に付けた「基礎」がその美しさや表現力を支えているはずです。

現実のレッスンは地味な作業の繰り返し

なかなか上達しなくてイヤになる日もありますよね。

でも、ひとつのことを集中して取り組んでいく姿勢や何年もかけて追及していく経験は、バレエだけでなく人生の大きな力にもなっていきます。

怪我のないように無理のない範囲で行っていきましょう!

ひとつひとつの動きを正しく行うためのエクササイズとワンポイント・レッスンとは?

バー・レッスンを実践的に学んでいくにあたって、本書では心強いふたりのダンサーがサポートしてくれます。

ひとりはかつて新国立劇場バレエ団のプリンシパルとして活躍して、今は教師として若手の指導に当たっている湯川麻美子さん。

もうひとりは同じく新国の現役プリンシパル小野絢子さん。

本書で印象的だった箇所は?

湯川麻美子さんが「食事」に例えていたバー・レッスン

いろは
これはとても印象深かったですね!

どんな物を食べてどんな栄養分を摂取したかによって人間のカラダが形成されていくように、毎回のレッスンでどんな基礎を身に付けたかによってその人の踊りは出来上がっていくはず。

偏りがあると栄養バランスが崩れてしまいますよね。

それと同じく正しい練習を積み重ねなければ理想とするバレエにはたどり着けません。

実は、バー・レッスンがあまり好きでなかった小野絢子さん

また、幼いから小林紀子バレエアカデミーで学んできた小野さんが、バー・レッスンはあまり好きではなかったと振り返っているのが意外ですね。

地味な動きを練習するよりも、軽やかな音楽が流れる中で早くバリエーションを踊りたかったという思い出はいかにも彼女らしいです。

ミキコ
…というか、ほとんどの人が単調なバー・レッスンよりも、楽しく動けるセンター・レッスンの方が好きなのでは??

初心者がバー・レッスンの大切さを理解しながら、正しいポジション・正しい体の使い方といった基礎を習得していくのはなかなか難しいようですが…

小野さんがモデルとなって、バレエの正しい立ち方を写真付きで詳しく解説

上半身を真っ直ぐに伸ばしてお腹はおへそに集めて内側へ、両足を付け根から外側へ回していくアンディオール

身体の中心からすべての方向へと伸びていくエネルギーをイメージしているという、しっかりとした立ち姿が美しいです。

普段のバー・レッスンの中でも、彼女が特に頭の中で強く意識して練習しているというのも納得できました。

「一度できるようになっても、カラダはすぐに忘れてしまうもの」という、湯川さんのアドバイスも聞き逃せませんよ。

トップクラスのダンサーでさえ毎日のバー・レッスンを欠かさないのは、誤ったカラダの使い方をしていると正しいポジションを忘れてしまうから。

それに、怪我の原因にもなりかねません。

バー・レッスンで片足で立ったり、もう片方の足を上げ下げすることで、おしりの筋肉やももの裏側のハムストリングスがキュッと縮んでしまった経験は誰でもあるのではないでしょうか?

そんなガチガチの筋肉を楽にするストレッチ方法も、図解入りで載っているので試してみてくださいね。

「バレエを踊っていく中で1番に大切にしていることは?」の2人の答え

  • 湯川さん…周りの人たちと比べてスタイルやテクニックの差に落ち込まないこと
  • 小野さん…ウィークポイントから目を逸らさずに打たれ強さとポジティブさを持ち続ける
順風満帆にも思えるふたりのバレエ人生にも、その言葉の裏には様々な苦労や挫折を経てきたことが伺えます。

いま正にバレエを習っている方だけでなく、コンプレックスを抱えている人も是非とも読んでみてくださいね。



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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。