ターンの中でも難易度の高い技で、いくつかの種類があります。
ここでは、もっとも代表的なグラン・フェッテについて解説していきます。
■目次
フェッテの種類
[aside type=”boader”]- グラン・フェッテ(フェッテ・アン・トゥールナン)
- イタリアン・フェッテ
グラン・フェッテ(フェッテ・アン・トゥールナン)
ピルエットの構え、4番ポジションから始めます。
片足で回転し、反対の足をムチ打つように出しながら回転するフェッテです。
「フェッテ・アン・トゥールナン」「フェッテ・ロンドジャンプ・アン・トゥールナン」と呼ばれることもありますが、通常のレッスンではグラン・フェッテと呼ぶことがほとんどです。
イタリアン・フェッテ
イタリアン・フェッテも回転する技ですが、足をエカルテ・ドゥバンからアティチュード・クロワゼ・デリエールと交互に振り上げながら回る技です。
グラン・フェッテのようにクルクルと回るのではなく、裏と表のポーズをしっかり使い分けて見せるフェッテになります。
バレエのフェッテのやり方を説明
グラン・フェッテはまず、4番ポジションのピルエットから始めます。
1回転したら軸足をプリエにし、片足をアラスゴンドの位置に上げます。
このとき、振り上げる足は、体の前から横に持ってきます。
最初からアラスゴンドの位置に足を出すのではなく、一度前方に足を出すことで勢いがつくためです。
足がムチのようにしなる様子をイメージし、ルルベ・アップでアラスゴンドの形がしっかり見えるように回ります。
グラン・フェッテは、「フェッテ・ロンドジャンプ・アン・トゥールナン」という呼ばれ方もします。
ロンドゥジャンプは、バーレッスンでも登場するので、知っている方も多いのではないでしょうか。
ロンドゥジャンプとは、フランス語で「丸い」という意味です。
フェッテの場合、出す足で丸を描くようなイメージをすると、回転に勢いがつきます。
フェッテを上手に踊るコツ
[aside type=”boader”]- 軸足の強さ
- 出す足の美しさ
- 出す足の位置は変えない
軸足の強さ
フェッテでは、同じ足に長い時間重心がかかります。
軸足の強さがないと、プリエとルルベ・アップを繰り返して回り続けることはできません。
しっかりプリエを踏んで、そこからまたルルベに持ってくる、脚力は当然必要です。
足首から膝にかけてをしっかり伸ばし、力強く立ち上がりましょう。
出す足の美しさ
フェッテでやりがちなのは、出す足を投げやりにしてしまうことです。
足を振り上げる勢いを使って回転するのですが、足を雑に使ってはいけません。
放り投げるように足を出してしまうと、つま先や膝がしっかり伸びないため見た目がよくありません。
また、足に振り回されるようなフェッテになってしまうので、バランスも取りづらくなってしまいます。
つま先にしっかり力を入れて、美しい足を見せるイメージを持ってみましょう。
出す足の位置は変えない
連続で何度もフェッテしているうちに、どこに足を出しているのかが分からなくなってしまうことがあります。
前から横に、しっかり方向を感じながら足を出しましょう。
これは、回転のリズムを掴むことにも繋がります。
回転のリズムが崩れると、軸足がアテールするタイミングを失って、バラバラと崩れてしまいます。
フェッテの効果的な練習方法
最初は、回転せずに足だけの動きでフェッテの練習をしてみましょう。
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- バーにつかまって、足を軽く前から横にロンドする(※)
- 足がアラスゴンの位置まできたら、パッセでルルベ・アップ
- 軸足をしっかりプリエをして、足をロンドする
このとき、基本の姿勢、骨盤やおしりの位置などが動かないように注意します。
おしりが開き、骨盤の位置が斜めに向いてしまうと、出した足にバランスを取られて倒れてしまいます。
基本の形を崩さず、繰り返しルルベ・アップできるように訓練しましょう。
そして、次にバーから離れて同じ練習をします。
バーから離れると、一気に軸足に体重を乗せてルルベ・アップするのが難しく感じられるでしょう。
1回1回の軸足のプリエで、休憩しすぎてはいけません。
プリエのたびに、ドシンドシンと音が鳴ってしまうことがありますが、これは体の引き上げが足りず、体重を床に叩きつけている状態です。
あくまでも、体は引き上げる意識を持ったまま腹筋でしっかり体重を支えましょう。
腹筋を鍛えて、アップダウンの動きに余裕を持たせることが必要です。
後ろから横、前にも同じです。
語学に自身があるなら、ぜひ![/voice]
すみれが見せたバレエのフェッテ
CMですみれさんが見せたダンスが美しいと話題です。
フェッテの正確さも見どころ
「白鳥の湖」の黒鳥32回転の見どころは?
白鳥の湖の第3幕、黒鳥のオディールのグラン・パ・ド・ドゥではフェッテの32回転が登場します。
これは非常に有名な見せ場で、黒鳥の役の代名詞とも言えるでしょう。
このシーンだけを単体見ても面白く、迫力のある場面です。
同じ技でありながら、踊るバレエダンサーそれぞれで印象が違うのが見どころでもあります。
また、2回おきにダブルを入れるフェッテの場合もあれば、全てダブルのフェッテをしている場合もあります。
個人的には、2回おきにダブルを入れているフェッテが、安定感があって好きです。
手の付け方も、振付師によって違い、印象もそれぞれ異なります。
手をアロンジェやアンオーが入っていると、よりダイナミックな印象になりますし、長い回転技も飽きさせません。
色々な黒鳥の32回転を比較して見てみると、様々な発見があって面白いものです。
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