今回はエシャッペについて解説しますね。[/voice]
エシャッペは、「逃げる、編み目が解ける」という意味を持つバレエ用語で、バレエの基礎的なパです。
5番ポジションから、2番に脚を開きながらルルベ・アップする動きになります。
4番ポジションに足を開くこともありますが、基本のレッスンで多く登場するのは2番ポジションです。
今回は、5番から2番に開くエシャッペの方法を解説します。
■目次
エシャッペのやり方。踊り方のコツは?
https://youtu.be/FC4l8FGnHRE
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- 足を床に滑らせる
- エシャッペは跳ねない
- お腹・おしり・脇の筋肉で、体を引き上げる
- 上半身はリラックス
- 5番ポジションのプリエをしっかり
足を床に滑らせる
まずエシャッペの「足」で注意したいのは、滑らせて2番に持っていくことです。
バレエシューズでのエシャッペのとき、よく音を聞いてみましょう。
床を足が滑る音が聞こえるのが、理想的なエシャッペです。
特に、足を5番ポジションに戻すときは、摩擦音がよりはっきり聞こえます。
エシャッペは跳ねない
勢いよく足を開いて跳ね上がってしまうと、ルルベにぴょんと乗っかるような感じになってしまいます。
これでは、負担がかかって足を痛めてしまう可能性もあり、見た目も美しいエシャッペではなくなります。
お腹・おしり・脇の筋肉で、体を引き上げる
エシャッペをするときは、体の引き上げがとても大事です。
ルルベ・アップとプリエの繰り返しは、真逆の動きを交互に行うものです。
バレエ姿勢の基本に忠実に、お腹やおしりの筋肉へしっかり力を入れる必要があります。
また、体の脇の筋肉を意識するとよいでしょう。
脇の筋肉も、体の重さを支えるのに大きく役立ちます。
プリエにおりたとき、これらの筋肉の力まで抜けてしまうとズシン、ズシンと重たい印象になります。
見た目が苦しそうなだけでなく、自分自身も次のルルベ・アップに持っていくのがさらに大変になります。
上半身はリラックス
エシャッペには引き上げる筋力が大事ですが、力を入れる場所は上半身ではありません。
背中・肩・胸には力を入れず、リラックスさせましょう。
上半身が硬くなると、肩が上がって苦しそうな見た目になります。
また、プリエではリラックスできても、ルルベのときに上半身を引っ張りすぎてしまう人は多いです。
プリエのときも、ルルベ・アップのときも、上半身の形は変えないようにキープしましょう。
5番ポジションのプリエをしっかり
エシャッペをスタートするときも、終わって5番ポジションに戻したときも、かならずプリエを丁寧に行います。
かかとが浮いて、ドゥミ・ポアントのようなプリエになってしまうことは多々あります。
しっかりかかとで地面を押すようにプリエし、足の間のひし形がはっきり見えるように心がけましょう。
エシャッペがきれいに見えるコツ
エシャッペをきれいにみせるには、足の伸びがとても重要です。
膝・足首・甲をしっかり伸ばして、脚の美しさを魅せるイメージでやってみましょう。
また、足の開きは肩幅くらいまで大きく開きます。
単純なパですが、しっかり足を開いてダイナミックにみせると、きれいなエシャッペになります。
また、2番ポジションのルルベのとき、両脚のかかとはなるべく向き合っているような状態が理想的です。
かかとが外側に向いてしまうと、おしりが出っ張り、格好悪いエシャッペになるので気を付けましょう。
内ももから膝下にかけてを内側に回転させるようなイメージで、しっかり開くよう意識することが大切です。
そして、エシャッペの2番ルルベ・アップのとき、上半身が揺れてしまう人が多いので注意しましょう。
これは跳ねてエシャッペしている場合や、上半身に力が入ってひきつっている場合に起こりがちです。
ルルベ・アップの状態は、エシャッペの顔となるポーズです。
そのときに上体が不安定で揺れていると、キレがなくぼんやりした印象になってしまいます。
エシャッペを1000回するクラスもあるらしいけれど、どういう意図があるの?
センターレッスンで、エシャッペの連続練習をすることはよくあることです。
私も、レッスン曲1曲丸ごとエシャッペだけ、というメニューをやったことがあります。
回数にすると50回くらいでしょうか。
エシャッペを連続で行う意図とは、足首を強くすることにあります。
足首の力が弱いと、ぐらぐらしてエシャッペのルルベが決まりません。
筋力トレーニングの一種で、何度も繰り返し行うことはよくあります。
それにしても、1000回というのは初心者クラスではまずありえません。
上級者でも1000回はなかなかできないのではないでしょうか。
そこまで回数が多くなくてもよいです。
はじめは10回でも20回でもよいので、正しい形のエシャッペをよりたくさん練習するということに意味があります。
間違ったやりかたでエシャッペをたくさんやると、足に負担がかかって怪我をすることになりかねません。
回数にはそこまでこだわらず、「きつい!つらい!」と感じるまで、正しい形で続けるという程度でもじゅうぶん効果的です。
エシャッペと他のパを組み合わせてみる
エシャッペとパッセを交互にするときのコツ
エシャッペとパッセを組み合わせるときは、重心移動を意識することがコツです。
エシャッペの重心は体の真ん中で、体を両脚で支えます。
対してパッセは、片足に重心を乗せてバランスを取ります。
この2種類を交互に行うとき、素早く体重を移動させなければなりません。
1回1回、違うポイントに体を乗せる意識をしましょう。
またそのために必要なことは、やはり引き上げておく力です。
お腹周りの筋肉や、体の脇の筋肉でしっかり体を支えます。
そうすれば少し重心が横に移動しても、すぐにそちらにのせることができます。
また、5番ポジションに戻した足は、しっかり開いて(アンディオール)かかとで地面を押しましょう。
5番ポジションの足の開きが足りないと、パッセのルティレも開きにくくなります。
エシャッペとソテを交互にするときのコツ
エシャッペ・ソテは、エシャッペの形でジャンプする動きです。
まず右足前の5番ポジションから、両脚同時に2番ポジションに開きプリエで着地します。
そして2番ポジションからジャンプして、左足前の5番ポジションのプリエにおります。
最初のソテのコツは、エシャッペのときの脚のきれいな伸び、開きを見せること。
花火が開くときのようなイメージで、素早くエシャッペの形を作りましょう。
2番ポジションへの着地は、つま先から静かに着地します。
また、エシャッペ・ソテでは着地のときに、おしりが下に下がってしまうことが多いので注意してください。
横から見ると、背中の下におしりがまっすぐ来ている状態になります。
おしりが下がりすぎたり、後ろに出っ張ったりすると、次のソテをする力が余計に必要になります。
全体的に重く、鈍いジャンプになってしまうので注意が必要です。
プリエはしっかりしなければなりませんが、着地している時間よりも空中にいる時間のほうが長くなるように心がけます。
トランポリンに乗って飛んでいるようなイメージで、リズミカルに跳んでみましょう。
エシャッペをポワントで踊るコツ
ポワントでのエシャッペも、基本的なコツは最初の項目と同じです。
反対に言えば、バレエシューズでの基礎ができていないと、ポワントでも正しいエシャッペはできません。
ポワントでのエシャッペはルルベに立ち上がるときに、より力が必要になります。
すると、バレエシューズのときよりもさらに、跳ね上がったようなルルベをしやすくなるので注意してください。
必ず、ドゥミ・ポワントを通ってからルルベ・アップします。
また、甲が柔らかくしっかり出るように心がけると、見た目も美しいエシャッペになります。
甲の出方は、足の形にもよるので個人差があります。
しかし、足首をしっかり伸ばしていれば、自然と甲のラインもきれいになります。
足首から、その延長線を描けるような甲の伸ばし方を意識しましょう。
実際のエシャッペはとても魅力的
いかがでしたか?
エシャッペは練習メニューのようなパだと感じられるかもしれません。
しかし、実際の踊りの中に入るととても魅力的な姿となります。
ドン・キホーテのキトリのバリエーションに、エシャッペ2回とアティチュード・ターンの組み合わせのパが登場します。
ダイナミックで美しいエシャッペの形が見られますので、参考にしてみましょう。
エシャッペは手や顔のつけ方、表現によってもっと魅力的なステップになるのです!
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