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「マノン」のあらすじと見どころを解説してみました。原作の紹介も。




ミキコ
今回は、「マノン」の紹介をするわね。
いろは
ケネス・マクミランの独特の振付が見どころだね☆

バレエ「マノンManon」は、フランス貴族にしてカトリック教会の聖職者であった小説家アントワーヌ・フランソワ・プレヴォの自伝的小説集「ある貴族の回想と冒険」の第7巻に相当する「騎士デ・グリューとマノンレスコーの物語」をモチーフとした作品です。

全3幕のバレエで、音楽はジュール・マスネの作曲です。

■目次

原作「騎士デ・グリューとマノンレスコーの物語」について

男たちを破滅させる女を意味するファム・ファタールを描いた最初の文学作品とされ、主要な登場人物の優美で微妙な心理描写が描かれているロマン主義の名作として知られています。

「騎士デ・グリューとマノンレスコーの物語」は、貴族の子弟の通う名門学校を優秀な成績で卒業した騎士デ・グリューが、修道院に入る予定だった魔性の美少女マノン・レスコーとパリへ駆け落ち。

でも、貧乏に嫌気がさした彼女は、彼の父に告げ口をしパトロンの元へ走る魔性ぶりです。

デ・グリューは、彼女の自分に対する不誠実さや娼婦的な人間性を理解していながらも復縁を哀願する彼女と同棲生活を始めてしまいます。

しかし、マノンの兄の経略にはまったことで、結果的にデ・グリューは感化院へマノンはオピタルに収監されてしまいます。

彼女は、感化院を脱走したデ・グリューに助けるものの、息子と関係を持ったことに激怒した老富豪GMによってアメリカに流刑にされます。
浮気を繰り返したことで彼が引き起こした勘違いした罪から逃れるための逃亡中に亡くなります。

命を取り留めたデ・グリューは、フランスに帰還し誇り高き騎士に戻る、というあらすじです。

バレエの「マノン」

1974年英国ロイヤル・バレエ団がロンドンのコヴェント・ガーデンに位置するロイヤル・オペラ・ハウスで上演以来、振付師ケネス・マクミランの代表作とされています。

第1幕

18世紀のパリ郊外の宿屋に家庭の事情で修道院に入るために移動中の馬車から降り立った魔性の美少女マノン。
マノンの兄レスコーは、妹の魔性的美しさを改めて実感し、それを利用して金儲けを考えます。

同じ宿屋に宿泊していた若き学生デ・グリューは、魔性の美少女に一目惚れをしてしまいます。
共に2人で駆け落ちしようとマノンを説得し始めます。

マノンはデ・グリューの優しさと熱烈なアピールに惹かれ次第に心を開いていく展開です。

彼女の魔性の美しさに心を奪われたのは、若き学生のデ・グリューだけではありません。
好色な老富豪ムッシューG.Mも年甲斐もなく彼女に魅了されます。

ムッシューG.Mは妹で金儲けを目論む兄のレスコーに身請け話を持ちかけられ、話をまとめ上げます。

でも、マノンとデ・グリューは、パリへと駆け落ちしてしまいます。
2人で踊ったり手紙を綴ったりと幸せな時間を過ごす寝室のパ・ド・ドゥの見せ場となります。

しかし、大金を手に入れたい兄のレスコーが好色な老富豪ムッシューG.Mと共にデ・グリューの留守中に現れます。
そして、宝石や毛皮などでマノンを懐柔します。

家庭の事情で修道院に入る予定だった彼女は、贅沢に目がくらみムッシューG.Mの愛人となることを承諾しました。


第2幕

高級娼館での饗宴。
娼婦たちや好色で酔った男たちが数多く参加しています。

マノンはそこで、兄のレスコーとデ・グリューに再会します。
自分の元に帰ってきて欲しいと哀願するデ・グリューに、マノンはイカサマ賭博でムッシューG.Mからお金を巻き上げれば一緒に駆け落ちすると唆します。

デ・グリューは、彼女のために懸命に頑張るものの不慣れなイカサマ賭博がバレてしまい、荷造り途中の彼女はムッシューG.Mに捕まります。
兄のレスコーは殺されてしまう始末です。

第3幕

ニューオリンズの刑務所に収監されたマノンは、彼女の魔性の美しさに魅了された看守に口説かれます。

ですが、彼女を追って来たデ・グリューは彼女を陵辱した看守をナイフで刺し殺し、彼女と共にルイジアナの沼地に逃げ込みます。

最後は、沼地のパ・ド・ドゥで知られる最大の見どころであり、疲れ果てたマノンがデ・グリューの腕の中で過去のノスタルジーに浸りながら力尽きてしまう作品です。

バレエ「マノン」の見どころ

第1幕の魔性の美少女マノンと若き学生デ・グリューの出会いのパ・ド・ドゥ寝室のパ・ド・ドゥ及び沼地のパ・ド・ドゥが大きな見どころです。

特に、強行軍の逃亡生活で精神的にも肉体的にも疲れ果て、愛し続けてくれたデ・グリューにすがる彼女の悲哀漂う姿が印象的かつ最大のハイライトシーンと言えるでしょう。

バレエは、難易度の高いリフトやグラン・フェッテ及びポワントなど切れ味の良さが優雅な美しさを演出しています。

この作品の第2幕の最大の見せ場である寝室のパ・ド・ドゥでは、酔っ払っていることを表現するために重力や技の惰性に身を委ねるケネス・マクミランの独自かつ異質な振り付けは見逃せません。

一見の価値がある稀有なバレエです。



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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。