「ラ・バヤデール」のあらすじや登場人物を書いてみました。




バレエ「ラ・バヤデール」は、ロシアで初演された、インドの舞姫のお話です。

よく、「ラ・バヤデール」だったり、「バヤデルカ」だったり、名前がややこしいですが、「ラ・バヤデール」も「バヤデルカ」も作品は同じものです。

「ラ・バヤデール」はフランス語、「バヤデルカ」はロシア語。
たったこれだけの違いです。

発表会やコンクールなどでもよく踊られるこのバレエですが、「実際のストーリーを知らない!」、「全幕を見たことがない!」という方は結構いますよね。

今回は、その「ラ・バヤデール」のあらすじや見どころ、衣装やバリエーションの紹介をしたいきたいと思います。

「ラ・バヤデール」登場人物

  • ニキヤ:バヤデール。インドの寺院に従事する、美しい舞姫
  • ドゥグマンタ:王、ラジャ
  • ガムザッティ:ドゥグマンダの娘
  • ソロル:クシャトリャ(高い身分の階級)の戦士・勇者。ニキヤの恋人
  • ハイ・ブラーミン:大僧正。寺院の権力者

「ラ・バヤデール」あらすじ

第1幕

第1場

古代インド。
そのインドの寺院に仕える美しい舞姫「ニキヤ」がいました。

ニキヤにはソロルという恋人がいます。

ある日、森にある寺院で火の祭りが行われました。
舞姫たちは美しい舞を奉納します。

その舞姫たちの中で、ひときわ美しいニキヤに、大僧正は心を奪われ求愛しますが、ニキヤに拒絶されてしまいました。

祭りが終わりを迎える頃、ある苦行僧がニキヤに、ソロルが物陰に隠れて待っていることを告げます。
ニキヤはとても嬉しくなり、心を表すかのように踊り始めます。

そしてソロルが現れると、嬉しさに耐えきれず、腕の中へ飛び込んでいきました。
そして二人は永遠の愛を誓い合います。

ですが、実はハイ・ブラーミンが、物陰に隠れて、二人の会話を盗み聞きしていたのです。
嫉妬に怒り狂ったハイ・ブラーミンは、ソロルへの復讐を企てるのでした。

第二場

舞台は変わってラジャの宮殿。
ラジャが愛娘のガムザッティに、ソロルと結婚するよう告げます。

ソロルもまた、ラジャにガムザッティと結婚することを命ぜられました。
ニキヤを愛しているソロルは動揺しますが、ガムザッティの美しさに心を動かされました。

宮殿では、婚約した二人を祝って、さまざまな余興が繰り広げられます。

ハイ・ブラーミンが到着すると、宮殿は静まりかえります。
彼はラジャに、ニキヤとソロルが恋仲であることを告げ口します。
怒ったラジャはニキヤを殺す、と決めました。

ニキヤのことが好きなハイ・ブラーミンは、本当はソロルを殺してくれることを願っていたので大慌て。

一方、ガムザッティはこの会話を聞き、ニキヤを自分の部屋へこっそり呼び出します。
ソロルのことを諦めさせようと、ニキヤにたくさんの贈り物をしますが、彼女は応じません。

絶望したニキヤは、ガムザッティに刃物を突き立てますが、召使いに止められ、ガムザッティの部屋から去っていくのでした。

第2幕

ソロルとガムザッティの婚約式が行われます。
この場面は、日本の発表会などでもよく踊られていますね。

ソロルとガムザッティの入場が終わると、さまざまな余興が行われます。

扇の踊り、バドカトル、ブロンズ像の踊り、マヌの踊り(壺の踊り)、太鼓の踊り、そしてガムザッティとソロルのグランパドドゥへと続きます。

そして、ニキヤへは召使いから「ソロルからのプレゼント」だという花かごを受け取ります。
しかしこの花かごは、実はラジャとガムザッティが用意したもので、花の中には毒ヘビが隠されていたのです。

ニキヤが花の香りを嗅ごうと、花かごに顔を近づけた瞬間、毒ヘビに噛まれてしまいました。

ハイ・ブラーミンは、自分と一緒になることを条件に解毒剤を与えますが、あまりのショックに、ニキヤはこのまま死んでしまおうと決意したのでした。

第3幕

影の王国という場面です。
こちらも、バリエーションやパドドゥなどが発表会やコンクールで踊られることも多いので、ご存知の方も多いと思います。

ニキヤが死んで絶望したソロルは、アヘンを吸い、幻覚でこの影の王国とニキヤの姿を見ます。

この場面で踊られるコールドバレエは、バレエ・ブラン(白いバレエ)とも呼ばれていて、白いチュチュを身につけたコールドバレエダンサーたちが、一糸乱れぬ踊りを披露します。

このコールドバレエの後、ニキヤとソロルのアダジオ、3人のソリストたちのヴァリエーション、ソロルのヴァリエーション、ニキヤのヴァリエーション(ヴェールの踊り)、コーダへと続きます。

この後は、バレエ団によって、構成が異なってきます。

ソロルがこのまま死んでしまうもの、ソロルの幻覚が冷めた後に寺院が崩壊し、皆殺しになってしまうものなどです。

ちなみにわたしは、昨秋ボリショイ劇場で、バヤデルカを観ましたが、影の王国で終わるバージョンでした。
日本で行われるバレエ公演も、影の王国で終わるバージョンが多いです。

さて、長くなりましたが、あらすじはざっとこんな感じです。



「ラ・バヤデール」上演時間はどれくらい?

上演時間はおよそ3時間15分(ボリショイバレエの場合。20分ずつの休憩2回を含む)と、割と長いバレエですが、メリハリがあるので観ていて飽きません。

特に、婚約式の場面では、たくさんの踊りが披露されるので、とても楽しいですよ。

「ラ・バヤデール」の見どころはどこ?

名高い音楽たち

そして、使用されている音楽も有名なものが多いです。
バレエのレッスンでもよく使われているので、「この曲知ってる!」という音楽がたくさん流れると思います。

際立つテクニックのオンパレード

また、テクニックも満載です。

ブロンズ像の踊りは、プリンシパルクラスの男性ソリストが、身体中を金に塗り、素晴らしいテクニックを披露します。
とても見応えがあるバリエーションです。

壺の踊りは、マヌの踊りとも呼ばれ、女性ソリストが頭に壺を乗せながら踊るので、観ていてヒヤヒヤします。
ここでは、2人の子供がソリストと一緒に踊ります。

この子どもたちは、付属のバレエ学校の生徒から選抜で選ばれます。
「水をいただけませんか」というジェスチャーをしたり、ソリストと一緒に踊ったりして、とても可愛らしいです。

太鼓の踊りは、男女のペアが小さな太鼓を持って激しくスピーディーに踊ります。

そしてなんといっても、ガムザッティとソロルのグランパドドゥはとても豪華です。
4人の女性ソリストと2人の男性ソリストが花を添え、テクニック満載のパドドゥになっています。

また、ここで踊られるガムザッティのバリエーションは、「海賊のバリエーション」とも呼ばれていて、コンクールや発表会では必ず踊られる、とても有名なもの。

海賊として踊られるときは、衣裳はネグリジェタイプのものを着て踊られることがほとんどですが、バヤデルカで踊られる場合は、結婚式にふさわしい、豪華なクラシックチュチュで踊られます。

コーダは、コールド全員が花を添える中、ガムザッティがイタリアンフェッテとグランフェッテを両方披露しますので、こちらもとても見応えがあります。

その後、ニキヤが悲しげな音楽とともに登場し、踊りで悲しみを表現しますが、後半、花かごを受け取った後は、喜びの踊りに変わります。

このバリエーションは、柔軟性と表現力が大切なヴァリエーションで、ニキヤの心情の移り変わりが注目ポイントです。



影の王国

一方、影の王国の場面も雰囲気がガラッと変わりますが、こちらも見どころ満載です。

まず先ほどもお話した、コールドバレエ。
階段を使って一人ずつコールドダンサーたちが、アラベスクを伴いながら降りてきます。

全員が同じ衣裳を着て、同じ振りで、同じ動きをするので、ため息が漏れるほど美しいバレエブランを観ることができます。
女性ダンサーが手に身につけているヴェールも、動きと相まってとても美しいですね。

そして、影の王国にはソリストが3人います。
こちらのバリエーションは、最近ローザンヌコンクールでも人気で、よく踊られているので、ご存知の方も多いと思います。

第一バリエーションは、足さばきが細かく、ポアントテクニックが重要なヴァリエーション。
第二バリエーションはジャンプテクニックから始まり、アクティブなヴァリエーション。
第三バリエーションは、ゆったりとした音楽で、終盤にかけて盛り上がっていく、バランス力が試されるバリエーションで、それぞれ全く異なった性格のバリエーションです。

ニキヤのバリエーションは、長いヴェールを持ってソロルと登場し、連続アラベスクターン、アントルラッセ、ピルエットからアラベスクに抜いてまたアントルラッセなどといった、高度なテクニックが必要とされるバリエーションです。

ヴァイオリンが奏でる音楽もとても美しいです。
また、コーダは、3人のソリストたちとコールドの揃ったアンサンブルから始まり、主役の2人がリフトやそれぞれジャンプテクニックで魅せてくれます。

グランフェッテなどの回転技はないものの、スピード感とダイナミックなコーダで、観客も盛り上がります。

そして、落ち着いた音楽でフィニッシュを迎えます。
ロシア版ですと、このまま全幕が終了となります。

衣装や小道具

余興では、衣装もインドらしいエキゾチックなものが多く、小道具も他のバレエでは使用されないような小道具がたくさん!

女性コールドや一部のソリストは、セパレートタイプのロングスカートかズボンに、結婚式にふさわしいきらびやかな頭飾りやネックレス。

うちわのような扇やそれぞれの小物を持って踊ります。
インド人のように、額に赤い点が描かれることもあります。

また、エキゾチックな雰囲気をだすために、タイツは濃い色で、トウシューズも暗めの肌色に塗られることが多いです。

チュチュを着る4人または8人のソリストは、高い身分だからでしょうか、ピンクのタイツにピンクのトウシューズです。

男性はほぼ全員がインドの帽子やターバンなどをつけています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ラ・バヤデール(バヤデルカ)のことが少しでも分かって、興味を持っていただけたら嬉しいです。

今まで劇場で観たことがない、という方もぜひ一度DVDなどでチェックしてみてくださいね^^

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、ミキコです。 小学1年生〜高校2年生までバレエを習っていました。 一旦はやめたものの20代半ばで再開し、今は週3回レッスンを受けています。 バレエの面白さをもっと知ってもらうために、このブログを書いています。